今年5月31日の記事「宮崎惇さんの新刊!」で、うちにある単行本未収録作品について書きました。
全部で11作を挙げましたが、あれ実は、下の3作(「小説ロマン」掲載作)以外は当該ページのみの切り抜きなんですよね。切り抜きではない作品(つまり雑誌まるまる)もどっかにあるような気がするなあ。でも、雑誌はほとんどダンボールだしなあ。
なんぞと思いながら、 「宮崎惇と私」サイトを眺めていましたら――
>1963 サンデー毎日 別冊 桜花読物号
>【これがSFだ 十人集】
> 『 』宮崎惇
ん? この号、うちにあるような気がするぞ。作品名不明なのか。よっしゃ、調べよう。
ということで、頑張って発掘。見つけたのですが……残念ながら宮崎作品はありませんでした。10人のラインナップは、佐野洋、光瀬龍(目次では光瀬竜)、小松左京、福島正実、都筑道夫、豊田有恒、星新一、眉村卓、半村良、結城昌治。
「サンデー毎日」別冊は2冊、それに特別号が1冊ありました。ついでに、「週刊朝日」の別冊も1冊、一緒に発掘。
なかなか興味深い内容ですから、紹介しておきましょう。(発行順)
「週刊朝日 別冊」1959年9月
特集:恐怖と推理。ハンス・H・エヴァース(エーヴェルス)「トマト・ソース」ほか。
「サンデー毎日 特別号」1961年3月
特集:冒険と秘話 空想科学小説。特集の寄稿者は佐野洋、星新一、都筑道夫、福島正実。
「サンデー毎日 別冊」1963年5月 桜花読物号
「これがSFだ十人集」掲載。メンバーは上記の通り。
「サンデー毎日 別冊」1963年11月 秋の特選読物号
特に特集はありませんが、星新一や小松左京の小説のほか、矢野徹の海外SF紹介エッセイ「宇宙からお化けがやってくる」など。




宮崎さんの作品は見つかりませんでしたが、なんだか楽しい。
信濃毎日新聞を探せば、もう少しあるんじゃないか――と思った時期もあったのですが、さすがに不定期掲載が過ぎたので、諦めました……。(2編載っていると、もう少し期待してしまうのは、マニアの悪しき習性ですね)
「サンデー毎日」3冊とも、編集者としての石川さんの名前は見当たりませんが、寄稿やアンケート回答はありました。
この3冊について、ちょっと補足しますね。
・「サンデー毎日 特別号」1961年3月
巻末に石川さんの「独房の将棋“名人”」が掲載されています。文末に「本誌 石川喬司」と。
・「サンデー毎日 別冊」1963年5月 桜花読物号
「これがSFだ十人集」のなかに小さな囲み記事(特集解説)がありますが、無署名です。石川さんが書かれたのかもしれません。
・「サンデー毎日 別冊」1963年11月 秋の特選読物号
記事に書いたもの以外にも、福島正実「ルポ・人類滅亡の日」、斎藤守弘「未来人への小包み(タイム・カプセル計画)」、大伴秀司「ニッポン・ミステリイ・ゾーン」、手塚治虫「追いつめられた男」などが掲載。
また、アンケート「五千年後に何を贈るか」の回答者にはSF関係者が勢揃い。半村良、星新一、眉村卓、矢野徹、手塚治虫、光瀬龍、斎藤守弘、斎藤伯好、福島正実、平井和正、森優、川村哲郎、石川喬司といった面々。この回答にはそのまま小説(ショートショート)になりそうなアイデアが盛りだくさんで、めちゃ面白い。光瀬さんの回答は、広瀬正「もの」のバリエーションの速射砲。いやあ、楽しい。
さすがですね。
私は宮崎さんの大ファンですが、著作を追いかけるだけで、掲載誌を探して読むところまではいきませんでした。
宮崎さんご存命のころでしたら、いくらでも情報を伺えたのに……。いまごろ後悔しても遅いですね。しょんぼり。
丁寧な補足、ありがとうございました。
「SFの青春時代」の香りがプンプン。
楽しそうです。
ほんと。その雰囲気を味わえるだけでも楽しい。古い雑誌の魅力ですね。
SFとは関係ないけれど、巻頭グラビアも楽しいのですよ。デビュー当時の加賀まり子さん、可愛い~。