2015年02月12日

『日本ショートショート出版史』

 ハードSF研究所の公報「Hard SF Laboratory」138号が届きました。石原藤夫さん、ありがとうございます。
 いつも新たな号が発行されるのを楽しみにしていますが、今回はまた格別です。というのも、今号から私の連載がスタートするのです。
HSFL138号.jpg 題して、『日本ショートショート出版史・覚え書き』。――星新一のデビューした1957年を起点として編年体で、その年の出版物や出来事を書き綴っていく試みです。もちろん、必要とあれば過去の出版物や出来事にも言及します。
「覚え書き」と添えたのは、本稿がまだ執筆中で、決定稿ではないため。現在も継続中ですが、書いているうちにいろいろ思い出し、数多く加筆・修正しています。最後まで書き終え、全体的なチェックが終わった時点で「覚え書き」は外します。
 ブログでも何度か、昨年12月中旬よりショートショートどっぷりの生活をしていると書きましたが、実はこの執筆のためでした。これだけにかかり切りになるのは不可能ですけれど、とにかく時間のあるときは書いています。
 執筆開始から2ヶ月弱。現在では1989年まで書き進めました。いやいや、まだまだ先は長い……。
『ショートショートの世界』もそうでしたが、本稿もまた、執筆依頼のないまま、もちろん出版の目途もないまま、執筆をスタートさせました。出版を検討したいなんてご連絡をいただけますと、気が狂いそうに喜びます。
 ともあれ、最後まで書きましょう。
 頑張りま~す。

【追記】
 あ、そうだ。情報を解禁しましたので、これも書いておきましょう。
 実は先月、ネオ・ベムSSシリーズの4冊目を作りました。『日本ショートショート出版史 黎明編〔1957~1970〕』です。タイトル通り、1957年から1970年のショートショート出版史をまとめたもの。こんな感じ(下の画像参照)で、カラーの書影をばしばし掲載しています。いや何、書いているうちに作りたくなっちゃんたんですよね(笑)。(例によって)試作版1冊のみ作製。ハードSF研公報に掲載されるのを念頭に書いていますので、横書きです。
 どうして1970年までかというと、特に深い理由はありません。版下を作るのに飽きただけです(笑)。いやほんと、ちょっと作ってみたかっただけなので……。
日本ショートショート出版史.jpg サンプルページ.jpg
 サンプルページは1963年。樹下太郎や城昌幸について書いているあたりです。『プロムナード・タイム』や『みすてりい』から波及して、あれやこれや。
posted by 高井 信 at 13:37| Comment(8) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお、すばらしい!

残念ながら、ハードSF研の会員ではありませんので公報を目に機会はありませんが、今後の健筆をお祈りしています。
完結の暁には、何らかの形で読んでみたいです。
Posted by 広島保生 at 2015年02月12日 17:21
まったく、すばらしいことです。
私もハードSF研の会員ではありませんので、公報「Hard SF Laboratory」を読めませんが、ぜひともこの連載はまとめて1冊の本にしていただきたいですね。
そのおりにはぜひとも読みたいです。
Posted by 雫石鉄也 at 2015年02月12日 18:50
エールをありがとうございます。
 期待に応えられる内容のものを書く自信はありますが、多くの皆さまに読んでいただけるようにできるかというと、う~~む、どうなんでしょうねえ。
 とにかく最後まで書き終え、それから考えます。
Posted by 高井 信 at 2015年02月12日 20:17
広報が届いたので、古典SF復刻よりも何よりも早く、高井さんの『日本ショートショート出版史・覚え書き』拝読しました。
 面白い!
 なるほどなあ、これとこれが同じ年だったのか、などなどと。
 とくにわたしはSFとミステリ両方好きなので、出て来る本のほぼ全てが興味の範疇のため、より楽しめました。
 知らない本、珍しい本もいっぱい。よく集めましたねえ。
 今後も楽しみにしております!
Posted by 北原尚彦 at 2015年02月12日 20:52
感想をありがとうございます。嬉しいです。
> 面白い!
 これからどんどん面白くなっていきますよ。
> なるほどなあ、これとこれが同じ年だったのか、などなどと。
 それなんですよ。私も書いていて、何度もそう思いました。
> 今後も楽しみにしております!
 ご期待ください。今日は1990年を書きました。
 1990年って、つい最近みたいな気がしますが、もう25年も前なんですねえ。
Posted by 高井 信 at 2015年02月12日 21:31
なるほど、これを書かれていたんですね。
作家同士の影響や、時代背景、流行など、
さまざまな見方ができそうで、とても興味深いです。
いつか拝読できる日を楽しみにしております。
Posted by 清水孝俊 at 2015年02月14日 13:38
『日本ショートショート出版史』、順調のようで何よりです。書影もたっぷりになりそうですね。
楽しみにしております。
Posted by 尾川 健 at 2015年02月14日 23:20
ありがとうございます。

 清水さん。
 編年で書くと、いろんなものが見えてきます。各人、いろいろな発見があると思います。
 なんとか読んでいただけるようになればいいのですが。

 尾川くん。
 とりあえず書き終わったら、抜けや間違いをチェックしてもらおうと思っています。頼りにしてます。
 書影は、どこまで使えるか不明ですが、必要になりそうな本は片端からスキャン。現在、800枚近くなっています。昭和初期から戦前、戦後、ずーっとです。これを眺めているだけでも楽しいです。
Posted by 高井 信 at 2015年02月14日 23:56
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