オリジナル(1947年制作)を私が初めて観たのは、だいぶ前にNHK-BSで放映されたときです。原作(小説)とはずいぶん違っていて、私の好みで言えば原作のほうが好きですが、映画も決してつまらなくはなく、けっこう楽しめました。さて、リメイク版は?
言うまでもないと思いますが、原作はジェイムズ・サーバーのショートショート「虹をつかむ男」(別題「ウォルター・ミティの秘密の生活」)です。
で、映画リメイクに伴い、来月、異色作家短篇集の『虹をつかむ男』がハヤカワepi文庫で再刊されるとのこと。異色作家短篇集の文庫化なんて、おお、ランジュラン『蝿』以来で、2冊目ではないですか。思えば、このときも映画化(リメイク)に絡んでのものでした。まあ、どんな形であれ、ショートショート作家(!)サーバーが注目を浴びるのは嬉しいですね。
「虹をつかむ男」はまさにサーバーの代表作でして、いろんな邦訳書に収録されています。本棚を見回し、目についた本を取り出してみました。
『虹をつかむ男』早川書房・異色作家短篇集(62)*もちろん、改訂版(76)、新装版(06)にも収録されています。来月にはハヤカワepi文庫に。
『空中ブランコに乗る中年男』講談社(74)/講談社文庫(87)



『虹をつかむ男』角川文庫(74)
『ジェイムズ・サーバー傑作選Ⅰ』創土社(78)
『傍迷惑な人々 サーバー短篇集』光文社古典新訳文庫(12)



アンソロジーにも収録されていて、たとえば――
『37の短篇(傑作短篇集)』早川書房・世界ミステリ全集(73)
『ニューヨーカー短篇集Ⅰ』早川書房(79)
『十夜』ランダムハウス講談社(06)



もちろん、ほかにもあると思います。
オリジナル版の予告編。
解説にざっと目を通し――
こういうふうに紹介するなら、『性の心理』角川新書(1954年刊)にも触れたほうがいいような気がするなあ。
創土社の『ジェイムズ・サーバー傑作選(2冊)』は角川文庫の改題再刊なんだよなあ。角川文庫に言及しないのはまずいんじゃないかなあ。
いやなじじいでありますな(笑)。