特に私が夢中になって読んでいた70年代に関する記述や調査結果は興味深く、楽しく読みました。あのころはとにかく、発行された本は片端から読んでいましたね。さすがにローダンは14巻くらいで挫折しましたが(苦笑)。
創刊は1970年8月。エドモンド・ハミルトン『さすらいのスターウルフ』、ロバート・E・ハワード『征服王コナン』、A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙嵐のかなた』、エドガー・ライス・バロウズ『月の地底王国』、フィリップ・ホセ・ファーマー『緑の星のオデッセイ』の5点を一挙刊行し、以後毎月2点づつ刊行する。




うんうん、覚えてます覚えてます。中学1年の夏。
このラインナップ、狂喜しましたねえ。至福でしたねえ。
75年10月に刊行されたNo.172『プレイヤー・ピアノ』カート・ヴォネガット・ジュニアである。
上に並べたSFは、質はともかくなんらかの意味で宇宙SFもしくは冒険活劇SFといえなくもなかったが、この本はそのカテゴリーに入らない。そしてSF文庫ではじめてイラストをいれなかった。特徴的なのは白かった背表紙が青く塗られていたことだった。青背の誕生である。
青背は月1冊のペースで刊行される。
『槍作りのラン』、『わが名はコンラッド』と順調に続くのだが、そのあとが良くない。『メトセラの子ら』、『シリウス』、『10月1日では遅すぎる』とハヤカワSFシリーズ、SF全集からの再刊の嵐となる。




そうでしたそうでした。確かに、いささかテイストは違っていましたが、SFはSFです。背の色なんて気にせず、がしがし読みまくりました。
ん? ふと気づけば、書影を掲載した青背4冊、どれにも帯が付いていません。帯欠ではなく、最初から帯が付いていないのです。現在ではたいていの文庫本に帯が付いていますけれど、あのころは文庫には帯がなくて当たり前なのでした。――ふ~む、いつごろから文庫に帯が付くのがスタンダードになったのかなあ……なんて気にして調べ始めると、大事になるかも。やめましょう(笑)。
ま、そんなことはどうでもいいですよね。こんな書名を眺めていますと、10代のころ――熱血SF少年だった時代にタイムスリップします。う~~ん、ノスタルジー。
さて。
冒頭に書きましたように、この調査の基本になっているのはハヤカワ文庫の目録なのですが、ことに70年代の目録はあまりお持ちではないようで、かなりのデータが抜けています。
うちにも古い目録が少しは残っていたはず……。
と、ダンボールごそごそ。この調査から漏れている目録を抜き出しました。
1973年6月/1975年7月/1978年6月/1979年5月/1980年7月/1987年3月






私が水鏡子さんと知り合いなら、「こんなのあるよ~ん。必要なら貸すよ~ん」と連絡するところですが、まるっきり付き合いはありません。
あ、そうだ。
どなたか仲介していただければ、喜んでお貸しします。――と、ここに書いておきましょう。
こういう有意義かつ楽しいリスト作りには、いくらでも協力しちゃいます。