いじめられっ子の魂が案山子に乗り移り、いじめたやつらに復讐をする。――絵に描いたようなB級スプラッタ映画でした。観ながら感じる脱力感は『悪魔の毒々モンスター』に通じるものがあります。傑作とは言いませんが、この脱力感は決して不快ではありません。
エンディングに「巨匠ダリオ・アルジェントに捧げる」とあり、うっひゃあ。
さらに「リスペクトすべき人々」として、ブライアン・ユズナ、スチュアート・ゴードン、トビー・フーパー、ジョン・カーペンター、ウェス・クレイブン、ジョージ・ロメロ、スティーヴン・キング、クライヴ・バーカーといった名前が流れます。うはは。私も大好きな監督、作家ばかりではないですか。うん、確かに影響は感じられますね。ただし、いずれの先達も超えられていませんが。
特典映像の「インタビュー」を観ましたら、なんと撮影期間はわずか8日とのこと。そんな短期間で作られた映画だったのですか(驚)。これだけ楽しませてもらえれば、充分に合格です。
続編『案山子男2』も観たい気はしますが、しばらく間をおくことにしましょう。



右端は伊藤潤二原作の映画『案山子』です。同じく案山子を題材にしても、日米ではこんなに違ってしまうものなのですね。