先日、ネットで調べものをしていて――
え? 『キションのユーモア』(東洋出版)? こんな本、知らないぞ。
エフライム・キションはショートショートの書き手として要チェックの1人です。
どんな内容なのか、ネットで調べてみましたが、何の情報もありません。国会図書館の検索ですらヒットしないのです。
う~~~ん。気になるなあ。安い本だし、買っちゃお。

届いた本を見て、「うぎゃ」と私は声を上げました。薄さ(50ページ弱)と内容に。――本文が日本語ではなくて、ドイツ語なんですよ。で、いくつかの単語には日本語の注釈が付いている……。
要するに、語学学習の副読本なんですね。
私はショートショート集のコレクターですが、こういうのは収集の範囲外です。わざわざネット注文して買うような本ではなかったなあ……。
失敗ですけれど、買わなければ悶々状態が続く――現在も続いているわけで、まあ、仕方ないですね。
『キションのユーモア』東洋出版(1988年9月10日/3版発行)
尾川浩・編注。初版発行日は不明ですが、まえがき(編者)の末尾に「1986年春」と添えられていますから、1986年の発行と思われます。
しかし、高井さんのような、ショートショートの研究者は、別にショートショートに限らないのですが、ものごとの研究はこういう回り道、失敗、ムダ、の連続ですね。ご苦労がしのばれます。
私たちファンは、そのご苦労の研究の成果だけ享受しているわけですね。
もったいないような、ありがたいような。
こういうハズレもあれば、またとんでもない本がヒットすることもありますから。
ま、今回はこんなネタにできたからということで。
そうなんですよね。覚悟し、納得した上での注文です。
横田順彌さんの古本エッセイで、「こんな本かと想像して目録注文したら、全然違っていた」なんて書かれていて、当時は他人事だったのですが、今はそうは言ってられません。
今回、840円の本ですから、被害は少ないです。
山本さん。
そのエピソード、読んだことがあります。都筑さんだったかどうか、覚えていないのですが。
>とんでもない本がヒットすることもありますから。
そうですね。何度か、そういう経験もしています。