『ノックの音が』に収録されている15編のうち14編は「サンデー毎日」に掲載され、1編「人形」のみは「小説新潮」に掲載。で、その「人形」には具体的な人名や金額は記されていません。
いかにも不自然です。
これは「サンデー毎日」編集部の意向によるものなのか、星新一の判断(週刊誌に掲載されることを考慮)によるものなのか。ちょっぴり気になる事柄でした。
ここのところ、某件で何度か石川喬司さんと電話でお話をする機会がありました。石川さんはとても気さくな方で、本件以外にも面白い話をいろいろと聞かせてくれます。
何かの拍子に『ノックの音が』の話題になりまして……。
あ! と思いました。『ノックの音が』が連載されていた当時、石川さんは「サンデー毎日」編集部に在籍されていたのですよ。
さっそく疑問を口にしましたら――
「それは気づかなかったなあ。編集部からそういう注文は出していないはずですよ。星さんの判断でしょう」
なるほど~。真実は星さん本人に確認しなければわかりませんが、まず間違いないと思います。
石川さん、ありがとうございます!
以下は、各種『ノックの音が』です。金額の記載が微妙に変更されていますから、その変遷をたどるのも楽しいかも。
なお、講談社文庫版には石川さんが解説を書かれています。
『ノックの音が』毎日新聞社(65)
『ノックの音が』講談社・ロマン・ブックス(71)
『ノックの音が』講談社文庫(72)
『気まぐれ指数 ノックの音が』新潮社・星新一の作品集(74)
『ノックの音が』講談社英語文庫(84)*スタンレー・ジョーンズ訳
『ノックの音が』新潮文庫(85)







『ノックの音が』のドラマCDが出ていたことを思い出しました。“サウンド文学館●パルナス”というシリーズの1枚で、CD製造は日本コロンビア株式会社、企画・製作は学習研究社です。計4編。おもな出演者は田中美佐子、山口良一。
写真をアップしておきます。