まずは、小学校3年生のときに読んだラッセル『見えない生物バイトン』講談社・世界の科学名作(65)。そして、4年生のときのバン=ボクト『宇宙怪獣ゾーン』偕成社・SF名作シリーズ(67)。――両書とも、学校の図書室で借りて読んだものだと思います。
いやあ、面白かったですねえ。どちらの本にも「SF」と書いてあるんですが、当時の私にはただのアルファベットの羅列にしか見えなかったのでしょう、それがSFと呼ばれるジャンルの名作であるなんて、全く意識しませんでした。
時は流れて……。
中学生になった私はSF大好き少年へと進化(笑)していました。
何気なくヴァン・ヴォークト『宇宙船ビーグル号の冒険』創元推理文庫(64)を読み始めたところ、すぐに――うわあ。これ、『宇宙怪獣ゾーン』だあ!
3年前に読んだ児童書の面白さが甦りました。大人向けに訳された『宇宙船ビーグル号の冒険』も底抜けに面白かったです。
となると、『見えない生物バイトン』も気になってきます。ちょっと調べて、大人向けの訳書が判明しました。エリック・フランク・ラッセル『超生命ヴァイトン』ハヤカワSFシリーズ(64)です。さっそく入手して読んだのは、言うまでもありません。もちろん、こちらも面白かったですね。
さらに時は流れて……。
10年ほど前、ショートショートの資料を集めるため、古本屋を回るようになりました。ショートショートとは関係なくても、懐かしい本を見かけると、買ってしまうこともあります。
で、思ったのが――『見えない生物バイトン』と『宇宙怪獣ゾーン』も、できれば手元に置いておきたいな。
しかし、古い児童書のSFは高値で売られていることが多く、たまに見かけることはあっても、手が出る値段ではありません。
またも時は流れて……。
2年前に『見えない生物バイトン』をゲット。そして先日、ようやく『宇宙怪獣ゾーン』も手に入れることができました。
私にとって、SFの原点とも言える2冊です。
嬉しいですねえ。2冊を目の前に並べ、しみじみと懐かしさに浸っております。



