昨日のロダーリ
『物語あそび―開かれた物語―』ですが、子どもの想像力、創造力、発想力など、柔軟な思考を育むのに最適と思います。こういう本が小学校の副教材として使われたら素晴らしいですね。(すでに使われているかもしれませんけれど)

『物語あそび』は「結」のない小説ですが、反対に「結」しかない小説もあります。――和田誠『きなきな族からの脱出』角川書店(81)/角川文庫(84)です。
単行本の帯:22種類の傑作アイデア 『終章』だけの小説
文庫の帯:コクのある、うれしい試み――「終章」だけの小説集!
帯に書かれている通り、終章だけの小説が22編収録されています。もちろん各作品は短く、超反則ではありますけれど、ショートショート集と言えます。

読む前には、そんなのを読んで面白いのかと思いましたが、読んでみると、これが面白かったんですね。「終章」すなわち「結」を読むだけで、実際には書かれていない「起承転」の部分までが想像できてしまうんです。しかも、作品のジャンルは多岐にわたっていて……。
こういう試みは大好きです。
和田誠のショートショート集については、
こちらを。

【追記】5月10日
本棚を眺めていたら、和田誠『倫敦巴里』話の特集(77)が目に飛び込んできて、思わず手に取ってしまいました。パロディ満載の楽しい本です。
読み返したくなる衝動を抑えて、ふたたび本棚へ。
読みたい本、観たい映画が溜まっているのです。
和田さんの創作では、もし「雪国」を他の作家が書いたら…という
パロディが印象に残っています。
野坂昭如風とか星新一風とか。
ショートショートでは「おさる日記」(結末におもわずアッと言った)とか
「サウンド・オブ・ミュージック」(ばかばかしくて。これほめ言葉です)が
大好きです。
「サウンド・オブ・ミュージック」は、ほんと、ばかばかしい(笑)。こういうのもいいですねえ。
イラストレーターさんにこんなのを書かれると、参っちゃいます。