

もちろん原作はすべて読んでいて、それを反芻するような感覚が楽しいですね。それぞれのマンガ家の味も出ていますから、それも魅力です。
感慨深いのは、とり・みき「わが良き狼」です。実は私の筒井康隆初体験は、この作品なんですよ。中学生のとき、「SFマガジン」のバックナンバーで読み、「うわあ、面白い。もっと読みたい」と、筒井康隆の著作を求めて書店に走ったことを覚えています。
それと――
名古屋は大須演芸場の芸人でもある雷門獅篭の参加も嬉しいです。
大須演芸場は名古屋で唯一の寄席でして、地元では有名な存在です。私と大須演芸場の付き合いはけっこう古くて、20年以上にはなりますね。
そもそものきっかけは伊東かおるさんでした。やはり大須演芸場の芸人です。


席亭の足立秀夫さんとも親しくなりました。足立さんは演芸界の生き字引みたいな人で、今や大御所の芸人さんたちの若かりしころの話(たいていは、やんちゃなエピソード)の楽しいこと。「さんまはよ~」とか、名古屋弁で話し出したら、もう止まりません(笑)。

私と同い年だったタクマさんとも、よく話しましたね。今では年賀状の付き合いだけになっていますが、また会いたいものです。
――と、昔話が長くなりました。
3年前に名古屋に戻ってきたとき、久しぶりに大須演芸場に遊びに行きました。芸人さんたちの顔ぶれはがらっと変わっていましたが、足立さんは昔のまんま、笑顔で迎えてくれました。

以来、久びさに獅篭さんのマンガに再会したのでした。こういうのって、ミョーに嬉しいのです。
記事タイトル『筒井漫画涜本ふたたび』とは関係のないことばかりで……。毎度のことながら、申しわけありません。