
書き手が筒井康隆でタイトルが『アホの壁』となれば、面白くないわけがなく……。
期待は裏切られませんでした。ほんと、読んでいる間、実に楽しかったです。わが身を鑑みて、おっ! と思わされる箇所も多々あり……(苦笑)。
書店に行く機会がありましたら、ぜひ手に取ってみてください。
さて。
言うまでもないことでしょうが、筒井康隆は日本でも有数のショートショートの名手でもあります。私がショートショートを読み始めたころ、特によく読んだのは、星新一、眉村卓、豊田有恒、そして筒井康隆のショートショートでした。どれも面白かったですねえ。
もちろんショートショート集リストを作成していますが、これがいろいろと悩ましくて……。
純然たるショートショート集は問題なし。しかし、中編とショートショートを収録した作品集、ショートショートを多く収録した短編集などもあり、どこまでをショートショート集と見るのか、この線引きが非常に難しいのです。小説集ではない本――『欠陥大百科』河出書房新社(70)、『発作的作品群』徳間書店(71)にもショートショートが収録されていますし……。



今回、悩ましい著作はオミットすることにしました。あくまでも暫定版ということで、ショートショート集リストを掲載します(全集は割愛)。
『にぎやかな未来』三一書房(68)/角川文庫(72)*7編割愛/徳間書店(76)*角川文庫版と同じ
割愛された7編は『幻想の未来』角川文庫(71)に収録されています。
『笑うな』徳間書店(75)/新潮文庫(80)
上記『発作的作品群』に収録されていたショートショートを中心に編まれたショートショート集です。
『あるいは酒でいっぱいの海』集英社(77)/集英社文庫(79)
『くたばれPTA』新潮文庫(86)




『ジャズ小説』文藝春秋(96)/文春文庫(99)
『天狗の落し文』新潮社(01)/新潮文庫(04)
『筒井康隆自選短篇集②ショート・ショート篇 怪物たちの夜』徳間文庫(02)
『壊れかた指南』文藝春秋(06)




21世紀になって、筒井康隆のテーマ別短編集が数多く編まれました。そのなかには、『佇む人 リリカル短篇集』角川文庫(06)や『くさり ホラー短篇集』角川文庫(06)など、ショートショートを多数収録している作品集もあります。う~~ん、悩ましいです。
お尋ねの件、心当たりがないですね。お役に立てず、申しわけありません。
昔とはいつごろか、翻訳作品か日本人の作品か、読んだのは個人作品集かアンソロジーか雑誌か、など、もう少し情報があれば探せるかもしれません。