
いやあ、楽しませてもらいましたねえ。『ショートショートの世界』でこの作家に触れられなかったのは痛恨!
実を申しますと、『ショートショートの世界』を執筆している時点で、ブッツァーティはショートショートの作家として認識していなかったのです。もちろん、存在を知らなかったわけではありません。著作にしても、若いころに『偉大なる幻影』ハヤカワSFシリーズ(68)を読んでいます。しかしこの本は3編収録の中短編集で、ショートショートとは結びつきませんでした。
そんな私に、「ブッツァーティのショートショート、面白いですよ」と教えてくれたのは田中哲弥さんです。遅ればせながら、私はブッツァーティの作品チェックを始めたのでした。田中さんに、感謝!
ブッツァーティには、ほとんどショートショート集と言ってもいいような短編集がたくさんあります。
以下、リストを掲載します。
『七人の使者』河出書房新社・モダン・クラシックス(74)/河出書房新社(90)*新装版
全16編収録。

全15編収録。
『階段の悪夢』図書新聞(92)
全25編収録。
『石の幻影』河出書房新社(98)
中編「石の幻影」+ショートショート5編収録。
『神を見た犬』光文社古典新訳文庫(07)
全22編収録。




【追記】
『階段の悪夢』に収録されている「誰?」を読んだ瞬間、例の最も短いホラー(この記事参照)が頭に浮かびました。
さらには、牧野修がアマチュア時代にペンネームで書いたショートショート「河馬」(筒井康隆編『ネオ・ヌルの時代 PART3』中公文庫(85)に収録)を思い出したり……。
こういうのも楽しかったです。
なお、「誰?」はたった3行の作品――「小さなミステリー」のなかの1編で、このタイトルは目次には掲載されていません(169ページに掲載)。
ほんと、ブッツァーティを勧めてくれて、ありがとうございました。