2010年01月21日

田中圭一・著作リスト

 ちょくちょく書いていますように、私は最近のマンガにはうといです。最近というのは、ここ20年ほど(笑)。少なくとも10年以上は、全くマンガを読まない時期がありましたし、要するに、ド素人なんです。
 約10年前からショートショートの研究&収集を始め、マンガのショートショートも少しは把握しておきたいなとチェックをするようになりました。
 マンガ化されたショートショートに関しては、「ショートショートのマンガ化」「渡辺浩弐のショートショート集」「ショートショートのマンガ化(補遺)」といった記事で書いていますので、興味のある方は参照していただきたいのですが、それはさておき――
 原作がなくてもショートショートと言えるマンガは多く、最近(もちろん、ここ20年、です)では岡崎二郎の作品が筆頭に挙げられるでしょう。5~6年前でしたか、マンガ好きの友人に勧められて『アフター0』を読んだときには、ぶっ飛びましたねえ。上質のアイデア・ストーリーであり、短い作品はまさにショートショートです。
 私は凝り性でして、マンガだろうと小説だろうと、気に入った作家の作品はとことん読んでやろうと思います。岡崎二郎に関しては、すでに著作は完集。すべて読みました。
 岡崎二郎のあと、ショートショートとは少し違いますが、伊藤潤二のホラー短編に魅せられました。こちらは著作完集とまではいきませんが、単行本化された作品のほとんどは読了。このブログでも、9月15日の記事「伊藤潤二の映像化」で、ちょっと書いています。
 そして、田中圭一です。昨年の1月、ふと変な本が目にとまったんですね。
『神罰 田中圭一最低漫画全集
神罰.JPG 手塚治虫漫画全集と似たような装丁、表紙の絵も手塚治虫にしか見えないのですが、作者は田中圭一という名前も知らないマンガ家です。はて? はて? はて?
 とりあえず購入し、読んでみました。
 うひゃあ、何だ、この本は! さまざまなマンガ家の絵柄を使い分け、その内容はシモネタのオンパレード。あっけらかんとしたシモネタ、好きですねえ。しかも、数ページの単発作品もあり、それらはショートショートと言えます。一発で気に入ってしまいました。
 数冊読んだ段階で、岡崎二郎、伊藤潤二に続き、「とことん読んでやろう」マンガ家の3人目となったのです。
 振り返ってみると、SFのアイデア・ストーリー(岡崎二郎)、ホラー(伊藤潤二)、シモネタ(田中圭一)。――これって、私を構成する三要素と言っても過言ではありません(笑)。この3人は、私の嗜好にぴったりなんです。
『神罰』から1年経ち、ようやく先日、田中圭一の全著作を読み終えました。ささやかな達成感に浸っています。なかには今ひとつと感じられる作品もありましたが、全体としては、ほんと、楽しませてもらいました。
 読み残しはないかとチェックするために著作リストを作りましたので、ここに掲載しておきます。『ドクター秩父山(全3巻)』スタジオ・シップ(87、88、91)/『復活 ドクター秩父山』ぶんか社(97)/『ドクター秩父山』アスペクト(05)
 全3巻で刊行されたあと、全1巻の合本が2度刊行されました。作品異同があります。
『ドクター秩父山だっ!!(全2巻)』ぶんか社(97、98)/『ドクター秩父山だっ!!』ぶんか社(05)
 全2巻で刊行されたあと、全1巻の合本が刊行されました。こちらも作品異同があります。
ドクター秩父山①.JPG ドクター秩父山②.JPG ドクター秩父山③.JPG 復活ドクター秩父山.JPG
ドクター秩父山.JPG ドクター秩父山だっ!!①.JPG ドクター秩父山だっ!!②.JPG ドクター秩父山だっ!!.JPG
『つっこみドン!!』イースト・プレス(98)
『昆虫物語 ピースケの冒険』ぶんか社(99)/『昆虫物語 ピースケの冒険』アスペクト(05)
 再刊版は増補され、なぜかメイン・タイトルとサブ・タイトルが逆になっています。
『神罰 田中圭一最低漫画全集』イースト・プレス(02)
『死ぬかと思ったH』アスペクト(05)/アスペクト(09)
 原案協力・林雄司。09年版は文庫による再刊のようですが、現物未確認です。
『鬼堂龍太郎・その生き様(全4巻)』集英社(05~06)
つっこみドン!!.JPG 昆虫物語.JPG ピースケの冒険.JPG 死ぬかと思ったH.JPG
鬼堂龍太郎・その生き様①.JPG 鬼堂龍太郎・その生き様②.JPG 鬼堂龍太郎・その生き様③.JPG 鬼堂龍太郎・その生き様④.JPG
『ヤング田中K一』日本文芸社(06)
田中圭一マガジン Comic サイテー』ぶんか社(07)
『セクシィ古文!』メディアファクトリー(08)/メディアファクトリーの新書(10)
 田中貴子との共著。新書版は現物未確認です。
『プリンセス破天荒』アスキーメディアワークス(08)
『サラリーマン田中K一がゆく!』角川書店(08)
『マンガ家田中K一がゆく!』角川書店(09)
ヤング田中K一.JPG Comicサイテー.JPG セクシィ古文!.JPG プリンセス破天荒.JPG
サラリーマン田中K一がゆく!.JPG マンガ家田中K一がゆく!.jpg

【追記】
 記事をアップしてから、田中圭一の著作を再チェックしました。
『嘘のような恥ずかしい田中K一』日本文芸社(04)という本もあるようです。せっかく制覇したと思ったのに、残念。
 この本、タイトルからして、面白そうです。探さなければ。

【追記2】1月22日
 気になって、もうちょっと調べてみました。>『嘘のような恥ずかしい田中K一』
 どうやらこの本、近刊ラインナップに挙がっただけで結局は発売されず、2006年に『ヤング田中K一』として発売されたらしいです。もちろん、正確なことは知りません。
posted by 高井 信 at 11:08| Comment(5) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「神罰」は発売されたときに購入し、手塚全集の棚にこっそりと並べて置いてあります。
購入したのは今は亡き「丸善京都店」。堂々と平台に並べられていたので驚いて手にとりました。漫画のコーナーの担当者によほど好きな人がいたのでしょうね。
模写の域を超えたタッチに感心したことを覚えています。
Posted by t-kita at 2010年01月22日 23:17
発売時に買われましたか。まあ、アニメやマンガにも造詣の深い喜多さんですから、当然かも。
 私が『神罰』を読んだのは1年前ですが、見てはいけないものを見てしまったような……(笑)そんな気持ちにもなりました。あの絵でシモネタされたら、かないませんね。
Posted by 高井 信 at 2010年01月23日 06:44
マンガのショートショートと聞いて真っ先に
思ったのが星氏の「進化した猿たち」。
 創作以外ではあのエッセイが一番好きです。
ひとこまマンガは究極のショートショートマンガでは。
Posted by 安田 五郎 at 2010年01月24日 15:51
>ひとこまマンガは究極のショートショートマンガでは。
 そうですね。
 ヒトコママンガ集も、ある程度はチェックしています。機会があれば紹介しますね。
Posted by 高井 信 at 2010年01月24日 20:20
あ、安田さん。
 コメントをいただく際、おそらくメール・アドレスを記入されていると思いますが、そこはURL(HPやブログのアドレス)を記入する場所です。メール・アドレスを記入されても無効です。
Posted by 高井 信 at 2010年01月24日 20:24
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