
このころ、まさにショートショートはブームの最中にあり、この雑誌でもショートショートのコンテストが行なわれていました。――〈ルパン ショート・ショート コンテスト〉です。
募集要項が発表されたのは1981年冬季号(第3号)で、規定枚数は1枚~15枚、選者は第1回が都筑道夫、第2回が阿刀田高となっています。都筑道夫と阿刀田高が交互に選者を務めるショートショート・コンテスト! なんて豪華なのでしょう。
ちなみに、この号には阿刀田高と都筑道夫の対談「書きたいあなたのためのショート・ショート調理法 入るは易く極めるは難し」も掲載されています。この対談、本当に面白く読みました。

第2回の結果発表は1981年夏季号(第5号)。阿刀田高選。応募総数672編。入選は5編で、ルパン賞は「テーマソング」娑婆ドゥビ也。このペンネームに関しては、「それにしてもこの人のペンネームは――ご当人はなにか意図があってのことだろうが、あまり感心できるものではない」と選評で書かれています。そりゃそうでしょう(笑)。
第3回の結果発表は1981年秋季号(第6号)。都筑道夫選。応募総数543編。入選は5編で、ルパン賞は「消防車が遅れて」井上雅彦。――もちろん、あの井上雅彦です。
雑誌の終刊とともにコンテストも消滅します。「問題小説」に場を移して継続されていれば、『ショートショートの世界』で大きく紹介したと思うのですが……。残念!



