絶対的な強さを誇った白鵬も力の衰えが感じられるようになりました。ちょくちょく休場するようになったのが、その何よりの証左。
今後の大相撲はどうなっていくのか。白鵬が横綱になってから休場した場所の好成績力士を調べてみました。
白鵬の横綱在位は63場所で、休場したのは5場所です。出場した58場所で優勝は37回。
2015年9月 優勝・鶴竜(12勝3敗)/同点・照ノ富士(12勝3敗)
2016年9月 優勝・豪栄道(15勝)/次点・遠藤(13勝2敗)
2017年3月 優勝・稀勢の里(13勝2敗)/同点・照ノ富士(13勝2敗)
2017年9月 優勝・日馬富士(11勝4敗)/同点・豪栄道(11勝4敗)
2018年1月 優勝・栃ノ心(14勝1敗)/次点・高安(12勝3敗)
白鵬が休場した5場所中、なんと3度も優勝決定戦。11勝や12勝という、白鵬全盛時代なら考えられない成績で優勝したりもしています。これを見ると、大相撲はこれから混沌の時代に突入しそうですね。
それにしても、横綱在位63場所で、休場はわずか5場所ですか。よくわからんうちに横綱になったと思ったら、その翌々場所から5場所連続休場中(出たら出たで金星大盤振る舞い)の横綱もいるかと思えば……。
【追記】
武蔵丸は6場所連続で休場した。ふむふむ、確かに。しかしその前、横綱になって20場所で7回の優勝を飾っています。充分に横綱としての責務を果たした上での6場所連続休場。
貴乃花は7場所連続で休場した。ふむふむ、確かに。しかしその前、横綱になって39場所で15回の優勝を飾っています。充分すぎるくらい充分に横綱としての責務を果たした上での7場所連続休場。
言うまでもありませんが、両横綱とも内規(2場所連続優勝)を満たした上で横綱に昇進しています。
今回、引き合いに出してはいかんと思います。
【追記2】
貴乃花なんて、大関で14勝1敗(優勝)、11勝4敗、14勝1敗(優勝)、11勝4敗、15戦全勝(優勝)でも昇進を見送られたんだよなあ。その翌場所に全勝優勝して――つまり2場所連続全勝優勝して、ようやく昇進。そんなに厳しかったのになあ。
【追記3】
横綱昇進基準の「2場所連続優勝」というのは、よくできていると思います。
綱を張るには、まずは優勝できるだけの力量を持っていることが必要。そしてプレッシャーのなかでも力を発揮できる心の強さも必要。
優勝することで力量を示し、その次の綱取り場所というプレッシャーのなかでも優勝し、心も強いことを示す。→横綱に推挙される。
鶴竜は2場所連続優勝ではなかったと言う人が多いですが、14勝1敗の優勝同点、そして綱取りと言われた(←これが肝心)翌場所で見事に14勝1敗で優勝。2場所連続優勝に匹敵する成績だと思い、私は納得しています。
それに比して、12勝3敗(優勝力士とは星2つ差)、次場所(綱取りとされていない)で優勝。これで横綱に昇進させるというのは、何度も書いていますが、絶対に納得できません。
ほんと、思うんですよね。内規を無視して横綱になんかせずに、もう1場所様子を見ていれば……。おそらく綱取り場所というプレッシャーのなかでは力を発揮できず、横綱になることはできなかったでしょう。しかし怪我をすることもなく、いまも強い大関でいられたのではないか。
あれこれ考えてしまうわけであります。