あるものを探していて、すっごく嬉しいものが見つかりました。
いくつかあったのですが、最大の収穫は「恍惚エスパー」の打ち出し原稿です。
この作品、大原まり子・岬兄悟編『SFバカ本』ジャストシステム(96)に発表しましたが、実はあれは短く書き直したものでして、元は3倍くらい長いのです。言うまでもなく、見つかったのは長いほう。

詳しい事情は省きますが、シモネタSF短編集『スプラッタ・ラブ』ケイブンシャ文庫(88)が出た直後、別の出版社から同系統の作品集を出そうか、なんて話があったのです。嬉しいですけれど、シモネタSF短編、1冊分も残っていません。
「んでは、150枚くらいのを書き下ろします」
と言って書き上げたものの、出版の話は立ち消え……。150枚のシモネタSFなんて使い途がなく、そのまま放置していました。ずいぶん経って、『SFバカ本』への執筆依頼が来たとき、これを短編化してみようか、と思いついたのです。
オリジナルを書いたときは、まだワープロを使っていない時代で、原稿用紙に手書きでした。あの原稿、どこへ行ったのかなあと、たまに思わないでもなかったのですが、見つかったところで使い途があるわけでなし。それに、短くしたバージョンとはいえ発表しているわけですから、特に探そうとは思っていませんでした。
それがまあ、考えてもいなかったところから出てきたのです。いやあ、嬉しいですね。
オリジナルを書いたのは30年近く前、短編版も20年以上前。うっひゃあ、でありますよ、ほんと。
今回、見つかったのはワープロの打ち出し原稿です。40字×40行で、ちょうど50枚。すっかり忘れていましたが、テキスト入力して、打ち出していたんですね。これまた覚えていませんけれど、そのとき原稿は捨ててしまったかも。
入力したのなら、どこかにデータが残っているかもしれませんが、フロッピーでしょうし、ワープロソフトはたぶん新松。うちにあるパソコンではXPにフロッピーDDは付いているものの新松は読めません。打ち出し原稿が見つかったのは最高の形と思います。
さて、この原稿をどうしようか。
え~。変な虫が疼いております(笑)。