2013年04月23日

『ふらんす浮世草紙』

 前の記事の続きです。
「持ってるかも、と思いつつ買って帰宅して確認したら持っていたけど、ちょっと違った」ということは、たまにあります。ことに物資に乏しかった戦時中&戦後に出版された本ですね。今日買ったエドガア・アラン・ポオ『早過ぎた埋葬』は1946年(昭和21年)発行ですし、拙ブログで採り上げた本では、たとえば堀口大學編訳『毛蟲の舞踏會』は1943年(昭和18年)発行です。
 ほかには……と書棚を見回し、マルキ・ド・サド『ふらんす浮世草紙』若草書房(昭和23年/1948年)を手に取りました。
 ともあれ下の画像をご覧ください。先に買ったのは右側の本(再版)です。その後、古書市で左側の本(初版)を見かけ、持っているような気がするけど違うかもしれないと思って購入。帰宅して確認すると、同じ本を持ってはいましたが、だいぶ違いました。
 表紙デザインの違いはさほど大きくないものの、本の厚さが全く違ったのですよ。初版は再版の1.5倍くらいの厚さがあるでしょうか。作品の異同があるわけでもないのにページ数は同じ。要するに紙質が違うのです。いやまあ、こういうのは同じ本ではなく、別の本と見なしてもいいんですよね。――と、誰にともなく同意を求めてみたりする(笑)。
 この本にはサドのコントが15編収録(ほとんどは極めて短い)されています。従来のサドのイメージとは違った世界が展開されていて、私には新鮮でした。
『ふらんす浮世草紙 サドの知られざる憤怒の滑稽譚』論創社・謎の訳者の古典ポルノ(04)として再刊されていますので、容易に読めると思います。興味のある方はどうぞ。
ふらんす浮世草紙(若草書房).jpg ふらんす浮世草紙(論創社).jpg
posted by 高井 信 at 23:49| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『イかれポンチ』ほか

 所用で街なかへ。用事を済ませたあと、新刊書店を覗きました。ふだんはスルーすることの多いコミック・コーナーに足を向けると――
◎田中圭一『イかれポンチ』KKベストセラーズ(13)
 あ、田中圭一だ。久しぶりだなあ。以前にも書きました(→ここ)が、大好きなんですよね、田中圭一。
イかれポンチ.jpg 田中圭一を買うのは『みなりの青春』以来でしょうか。4コママンガ『みなりの青春』に対して、『イかれポンチ』は見開き2ページ。もちろんどちらもエロネタ満載、下品満開。短いしオチもあるし、マンガのショートショートと言えば言えるかもしれないような気がします。←こういう遠回しの言い方しかできません(笑)。
 あ、そうそう。馴染みの店員さんに、田中圭一の本が最近ほかにも何冊か出たと教えてもらい、帰宅してパソコンでチェックしました。――昨年末には『ドクター秩父山』の増補版(小池書院/全2巻)が、今年2月には『教えてっ!真夢子おね~さん』(サイゾー)が発売。ほぼ再刊と思われる『ドクター秩父山』はともかく、『教えてっ!真夢子おね~さん』は読みたいですね。

 続いて古本屋へ。
◎エドガア・アラン・ポオ『早過ぎた埋葬 怪奇小説傑作集』創文社(46)
 似たような本、持ってるような気がするなあ。でも違うかもしれないなあ。まあ、安いから、買っておこう。
 帰宅して本棚を確認しました。――あちゃー、持ってたか。失敗失敗。……ん? しかし、ちょっと違うぞ。
 まあ、画像をご覧ください。左が初版(今日買った本)、右が再版(前から持っている本)です。
早過ぎた埋葬.jpg
◎ヒラリー・ワトスン編『ある魔術師の物語 イギリス・ミステリ傑作選'76』ハヤカワ・ミステリ文庫(80)
 このシリーズはショートショートの資料として揃えておきたいと思っていました。全15冊、これで完集。ささやかに嬉しいです。
ある魔術師の物語.jpg イギリス・ミステリ傑作選.jpg
posted by 高井 信 at 17:06| Comment(1) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする