2013年04月09日

村雨兄弟

 ふと思いついて、こんなのを書いてみました。


         村雨兄弟

 フグ料理店に行った。
 メニューを見ると、「激うま」「激やば」の二コースがある。激やばのフグ料理なんて注文する客がいるのかなあと思っていたら、隣のテーブルから――
「激うまと激やばだってよ。どっちもおいしそう。迷うなあ」
「いやあ、やっぱ激やばっしょ」
「だよね」
 若い男性の五人グループだった。

【蛇足1】
 横山光輝のファンでしたら、村雨兄弟と聞いてピンとくるのではないでしょうか。
 ピンとこない方は【蛇足2】をどうぞ。続きを読む
posted by 高井 信 at 11:47| Comment(7) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月08日

橫田順彌検定

 ほろ酔い気分で橫田順彌検定を受検してみました。
 結果――

6問正解 / 問題数 : 6問
全国1位 / 全受験者数 : 55人中
あなたは『横田順彌に詳しい人』です。

 全問正解は嬉しいけれど、こんなに簡単な問題では検定の意味がないような……。

【追記】4月10日
 監修/柴野拓美『SF雑学クイズ マニア感覚をテストする』住宅新報社・Uブックス(78)
 監修/柴野拓美『SF次元へのパスポート』住宅新報社・Uブックス(78)
SF雑学クイズ.jpg SF次元へのパスポート.jpg
 どちらも楽しい本でした。
『SF雑学クイズ』――ショートショート関係では、たとえば、こんな問題が出題されています。
>星新一の限定版ショートショート集のうち、いちばん発行部数の少ないものは?
 星新一ファンの間ではよく知られている本ですが、一般のSFファンにはどうなんでしょうねえ。
posted by 高井 信 at 23:03| Comment(6) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月07日

『手塚治虫 物語への招待』

 にまにましていましたら(にまにまの理由はここに)、にまにまを加速させるような本が届きました。
物語への招待.jpg ①旧約聖書物語.jpg ②蟻人境.jpg ③青いブリンク.jpg
『手塚治虫 物語への招待(全3巻)』樹立社(13)――2011年刊『手塚治虫 SF・小説の玉手箱(全5巻)』の姉妹編です。
 内容は以下の通り。
内容.jpg
 うわあ、すごい! これは嬉しいですね。ありがとうございます。>樹立社さま
 単行本初収録作品多数。私の既読作品は、シナリオ「100万年地球の旅 バンダーブック」(『①旧約聖書物語』に収録)、長編『蟻人境』(『②蟻人境』に収録)、エッセイ「北杜夫 船医シンドバッド」(『③青いブリンク』に収録)だけと思います。
 読んだのはずいぶん前だよなあ。いつごろ読んだんだろ。
 と、これらが収録されている本を取り出してきました。
『手塚治虫ランド』大和書房(77)*「北杜夫 船医シンドバッド」を収録。
『手塚治虫ランド2』大和書房(78)*「バンダーブック 100万年地球の旅」を収録。
『手塚治虫小説集』講談社・手塚治虫漫画全集別巻(96)*『蟻人境』を収録。私が読んだのは本書です。
『手塚治虫小説集』ちくま文庫(01)*『蟻人境』を収録。
 うへえ。「バンダーブック」や「北杜夫 船医シンドバッド」は35~36年前、『蟻人境』も20年近く前ですか~。
 毎度のことながら、時の流れの速さに驚かされます。
手塚治虫ランド.jpg 手塚治虫ランド2.jpg 手塚治虫小説集.jpg 手塚治虫小説集(文庫).jpg続きを読む
posted by 高井 信 at 15:57| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ロボットたち』

 天瀬裕康さんから新刊『ロボットたち』近代文藝社(13)を送っていただきました。ありがとうございます。
ロボットたち.jpg ロボットの視点で人類を斬り、ロボットの歴史を語ります。面白いし読みやすいし……ちょっと読み始めたら止まらず、一気に最後まで読んでしまいました。
 もちろんSFにも触れられています。たとえば……と書棚を見回し、適当にピックアップしてみました。
◎チャペック『ロボット』岩波文庫(89)
◎カレル・チャペック『山椒魚戦争』創元推理文庫(68)
◎ハルボウ『メトロポリス』改造社・世界大衆文學全集(28)
◎コッローディ『ピノッキオの冒険』岩波少年文庫(58)
◎ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ(上下)』岩波文庫(38)
◎阪本牙城『タンク・タンクロー』講談社漫画文庫(76)
◎山中恒:文/原作:M・シェリー『フランケンシュタイン』講談社・世界の名作文学(97)
ロボット.jpg 山椒魚戦争.jpg メトロポリス.jpg ピノッキオの冒険.jpg
未来のイヴ.jpg タンク・タンクロー.jpg フランケンシュタイン.jpg
 いやあ、どれも懐かしいですねえ。
 参考文献のなかには当然のことながら、石原藤夫の名著『SFロボット学入門』早川書房(71)/ハヤカワ文庫JA(81)もあります。これまた、懐かしい!
 で、はたと思えば――
 北原尚彦さんに代理購入をお願いし、先日送っていただいた本のなかに、『空想科学 人造人間小説傑作選』十三舎(13)がありました。もちろん偶然ですが、こういう偶然は楽しいですね。朝っぱらから、にまにまと過ごしております。
SFロボット学入門.jpg SFロボット学入門(文庫).jpg 人造人間小説傑作選.jpg
posted by 高井 信 at 09:14| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月06日

『小さな物語のつくり方2』

小さな物語のつくり方2.jpg 樹立社さまより、江坂遊編著『小さな物語のつくり方2 創作授業のすすめ方指南・星派道場』樹立社(13)を送っていただきました。一昨年に発売され好評を博した『小さな物語のつくり方』の第2弾です。
 いろいろありまして、本文は初期バージョンから読ませていただいています。そういう意味では、読む楽しみは希薄なのですけれど、それとは別に、発行を心待ちにしていました。本書の執筆者は編者の江坂さんを含めて計10名ですが、なんと、そのうちの7人は私の知り合いなのですよ。嬉しいですねえ、ほんと。
 皆さん、おめでとうございます!

 書店に並ぶのは来週――4月10日くらいになるようです。書店に足を運ばれる機会があれば、ぜひお手に取っていただきますよう。
posted by 高井 信 at 11:48| Comment(4) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月05日

『ミクロ探険部』

 TV番組『ビーバップ!ハイヒール』は名古屋では数週間遅れで放送されています。昨夜の放送のテーマは「日本語 イズ ミステリアス」でした。おお、私の大好物!(嬉)
「外国人だけじゃない!日本人も間違っている日本語」のコーナーでは、「煮詰まる」「役不足」「うがった見方」「さわり」「敷居が高い」が採り上げられていました。誤用の定番ですね。もちろん私はすべて、正しい意味を知っていました。――って、別に自慢にもなりませんが。
 どうせなら、もっともっと多くの誤用例を挙げてほしかったなあと思います。「うがった」を採り上げるなら「恣意的」にも触れてほしかったし、「雨模様」「破天荒」「憮然」「檄を飛ばす」とか、いろいろ。
内容.jpg
ミクロ探険部.jpg 漫画ヘルシー文庫.jpg
 さて。
 二階堂正宏のマンガ『ミクロ探険部 胃と腸のはなし』を読みました。『OTSUKA漫画ヘルシー文庫 臓器編』大塚製薬株式会社(89/共函に10冊入り)の1冊です。
 冒頭いきなり、ステテコ腹巻き姿のおじさんが登場。
「君たち、人間のカラダの中を探険してみたくないかね」
 驚く少年と少女に、
「おじさんは博士だよ。君たちはスピルバーグの『インナースペース』という映画を見なかったのかい。おじさんの若い頃は『ミクロの決死圏』という映画もあったよ。映画に出きてマンガに出きんことはない!」
 ジャジャーン、潜航艇が現われます。
「おじさんは大工もやるのだよ」
 潜航艇に乗り込む少年少女。光線を当てると、目に見えないほど小さくなります。で、おじさんいわく、
「まさか……。ほんとに小さくなってしまった。なんて非科学的なマンガなんだ。信じられん」
 信じられないのは、こっちです(笑)。
 あれこれあって、体内巡りを開始。すったもんだの末、なんとか無事に帰還して終わります。
 映画『ミクロの決死圏』が大好き(この記事参照)ということもありましょうが、充分に楽しめました。二階堂正宏(この記事ほか参照)も好きですし……。
posted by 高井 信 at 21:20| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月04日

『燃える空飛ぶ円盤』

 北村小松『燃える空飛ぶ円盤―北村小松UFO小説集―』日本初期SF映像顕彰会(12)を読み始めました。『空飛ぶ円盤のあけぼの―北村小松UFO随想集―に続く、北村小松顕彰・第2弾です。
 これまた、北原尚彦さんに代理購入を頼んでおき、昨日届いたもの。ほんと、ありがとうございます。
 本書とは関係ありませんが、空飛ぶ円盤(UFO)小説と聞いて、すぐに思い出すのはロバート・マイアル『謎の円盤UFO』です。かのTVドラマのノベライズですが、実は私、なぜだかTVドラマはあんまり観ていなくて、このノベライズの印象のほうが強いです。
◎ロバート・マイアル『謎の円盤UFO①』ハヤカワ文庫SF(75)
◎ロバート・マイアル『謎の円盤UFO②』ハヤカワ文庫SF(76)
燃える空飛ぶ円盤.jpg 謎の円盤UFO・1.jpg 謎の円盤UFO・2.jpg
 その名もズバリ、『空飛ぶ円盤』というタイトルの小説もありました。ラリー・マドック〈TERRAの工作員〉シリーズの第1巻。UFO小説かと思いきやタイムパトロールものでして、意表をつかれたことを思い出します。
◎ラリー・マドック『TERRAの工作員①空飛ぶ円盤』創元推理文庫(71)
◎ラリー・マドック『TERRAの工作員②黄金の女神』創元推理文庫(71)
◎ラリー・マドック『TERRAの工作員③エメラルドの象』創元推理文庫(72)
◎ラリー・マドック『TERRAの工作員④タイム・トラップ』創元推理文庫(76)
空飛ぶ円盤.jpg 黄金の女神.jpg エメラルドの象.jpg タイム・トラップ.jpg
『燃える空飛ぶ円盤』の解題(猫山れーめ)末尾には――
>これら異色SF作品については次巻を待って紹介したい。
 おおおーっ! UFOエッセイやUFO小説以上に楽しみです。
posted by 高井 信 at 23:28| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「コンピュータにSFは書けるか」

 昨日、北原尚彦さんから送ってもらった本のなかには、ペラペラの手作りファンジンもありました。それらを読み終え、片づけようとしたところ――
 ん? こんなの持ってたっけ。
第8回星群祭プログラム.jpg「第8回星群祭プログラム」――奥付はありませんが、1981年7月26日開催のイベントなので、その日の発行と考えていいでしょう。
 A5判、24ページ(表紙とも)の冊子ですが、当日のスケジュールが記されているのは最初の1ページだけで、あとは「特集 コンピュータにSFは書けるか」。このテーマのもと、以下の3つの論考が掲載されています。
 その1「クラインユーベルシュタインの方法から」中西秀彦
 その2「体験からSFへ コンピューターSFは読まないで」山根啓史
 その3「SF小説はコンピューターで描ききれるか?」椎原豊

 言うまでもなく、私の脳裡に「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」が浮かびました。このプロジェクトの30年以上も前にこんなことを! いかにもSFファンらしいですよね。
 うん。楽しい。
posted by 高井 信 at 11:48| Comment(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『だれも知らない小さな国』

 佐藤さとるの〈コロボックル物語〉シリーズが好きです。私が初めて読んだのは第1作の『だれも知らない小さな国』が講談社文庫に収録されたときです。
 奥付を確認してみましたら、1973年7月15日第1刷発行。私が高校1年のときですね。これがもう抜群に面白くて、続刊を楽しみに待っていたものです。
だれも知らない小さな国.jpg 豆つぶほどの小さないぬ.jpg 星からおちた小さな人.jpg ふしぎな目をした男の子.jpg
◎佐藤さとる『だれも知らない小さな国』講談社文庫(73)
◎佐藤さとる『コロボックル物語②豆つぶほどの小さないぬ』講談社文庫(75)
◎佐藤さとる『コロボックル物語③星からおちた小さな人』講談社文庫(75)
◎佐藤さとる『コロボックル物語④ふしぎな目をした男の子』講談社文庫(76)

 私が追いかけていたのは、この第4巻まで。その後も書き継がれ、現在では全6巻になっているようですけれど、私のなかでの〈コロボックル物語〉シリーズは4冊で終わっています。
 第1作『だれも知らない小さな国』がもともとは私家版(1959年刊)であったことは知っていました。そんな古い私家版なんて自分には縁がないと思っていたのですが、なんと、復刻版が発行されたのですよ。
◎佐藤さとる『【私家版復刻】だれも知らない小さな国』コロボックル書房(13)
 復刻版だけではなく、付録として〈コロボックル物語〉シリーズの新作短編「ブドウ屋敷文書の謎」が! いやあ、びっくりしましたねえ。すごいですねえ。欲しいですねえ。
 北原尚彦さんが行きつけの古書店でも販売を取り扱うと知り、買っておいてくれるよう頼んだのでした。
 そんなわけで本日、到着しました。
 もはや感動としか言いようがありません。じっくりと、噛みしめるように読みたいと思っています。
 下の画像は左から――共函、『【私家版復刻】だれも知らない小さな国』、「ブドウ屋敷文書の謎」です。
函.jpg だれも知らない小さな国(復刻版).jpg ブドウ屋敷文書の謎.jpg
 佐藤さとるは数多くのファンタジー童話(短い!)を書いていて、ショートショートの観点からも要チェックなのですが、今日は1冊だけ――佐藤さとる版『聊斎志異』とも言うべき怪異掌編連作集を紹介しておきましょう。
『新仮名草子 机上庵志異』講談社(82)/『机の上の仙人 机上庵志異』講談社文庫(85)
新仮名草子.jpg 机の上の仙人.jpg
posted by 高井 信 at 00:19| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月03日

『サントリー談話室』

 本日入手の豆本を片づけようと、豆本を入れてある引き出しを開け、ふと『サントリー談話室』サントリー株式会社・洋酒マメ天国19(69)が気になりました。もちろん豆本(6.9cm×9.4cm)です。
サントリー談話室.jpg 友人同士が互いの酒について語るという趣向のエッセイ集で、星新一・小松左京コンビも寄稿しています。
 小松左京「笑いの贈りもの 星新一氏の酒
 星新一「エレガントな酒 小松左京氏の酒
 で、特に理由はないんですが、思っちゃったのです。――このエッセイって、おふたりのエッセイ集に収録されているのかな。
 作家論・作品論でしたら、それぞれ以下のような著作があります。
◎小松左京『読む楽しみ語る楽しみ』集英社(81)/集英社文庫(85)
◎小松左京『机上の遭遇』集英社(82)/集英社文庫(86)
◎星新一『きまぐれフレンドシップ』奇想天外社(80)/集英社文庫(85、86)*2分冊/新潮文庫(89)*2分冊
読む楽しみ語る楽しみ.jpg 机上の遭遇.jpg きまぐれフレンドシップ.jpg
『サントリー談話室』に収録されているのは人物論ですが、上記著作に収録されていても違和感はないように思えます。差し替えの可能性も考え、再刊の文庫本も含め、9冊すべてをチェックしました。
 残念ながら、どちらのエッセイも確認できませんでしたが、ひとつ、面白い発見がありました。
『きまぐれフレンドシップ』(新潮文庫以外)に、以下のような記述が見つかったのです。

 小松さんについて書いた第一回は、短編集『ウインク』の解説である。それは「小松左京論序説」として、角川文庫『きまぐれ博物誌・続』に収録してある。
 三回目が日本教養全集でだ。そのあいだに、どこかでなにかを書いた気がするのだが、思い出せないし、スクラップ・ブックにもない。ふしぎな話だ。

『ウインク』(話の特集編集室)は1967年の発行、当該の『日本教養全集』第10巻(角川書店)は1974年の発行です。で、『サントリー談話室』(1969年発行)に収録されているエッセイは、1967年4月から1969年3月まで、「朝日新聞」「日本経済新聞」に掲載されたものとのこと。――ということは……。
「どこかでなにかを書いた」は、「朝日新聞」か「日本経済新聞」で「エレガントな酒 小松左京氏の酒」を書いた、ではないでしょうか。
 現物確認したエッセイ集は上記のものだけですから、ほかのエッセイ集に収録されている可能性はあります。情報提供をいただけると嬉しいです。
posted by 高井 信 at 19:16| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

豆本3冊

 北原尚彦さんから、代理購入をお願いしておいた本が届きました。前回は、え~と、昨年11月21日ですか。
 自費出版かそれに類するものばかりで、いずれも一般書店では売っていません。いやあ、嬉しいですね。ありがたや、ありがたや。
 午前中に届き、まだ愛でている最中ですが、折角なので少しだけ――豆本3冊をご紹介します。
◎海野十三『一九五〇年の殺人』十三舎豆本探偵小説選集(13)
◎渡辺温『シルクハット』十三舎豆本探偵小説選集(13)
◎夢野久作『きのこ会議』ヨンネ豆文庫*写真をご覧になればわかるように、ビニル袋に封入されています。「きのこ会議」自体は知ってるし、封を切るべきか思案中。
豆本.JPG
 ほかにもあれこれ送っていただきました。豆本はただの物欲(笑)ですが、それ以外は読みたくて、代理購入をお願いしたものです。う~~~ん、楽しみ!
 北原さん、ありがとうございました。
posted by 高井 信 at 16:56| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月02日

創元推理文庫・目録(1970年代)

 昨日、文庫の解説目録のはいったダンボールを開けました。目的はハヤカワ文庫目録のチェックでしたが、他社の目録も一緒にはいっていますから、当然のことながら、それらも目に触れます。
 ハヤカワの目録をチェックして創元を放置するのは片手落ちです。
 うちに残っていた目録のうち1970年代のものだけ、ここにメモしておきましょう。
 1974年11月/1975年6月/1976年4月/1976年6月/1978年2月/1978年5月/1979年11月
解説目録74・11.jpg 解説目録75・6.jpg 解説目録76・4.jpg 解説目録76・6.jpg
解説目録78・2.jpg 解説目録78・5.jpg 解説目録79・11.jpg
 もう少し古いのもあったと思うのですが、当時は、新しいのをもらったら古いのは不要と、捨てちゃったりしていたんですよね。いま考えると、ちょっともったいなかったかな。
 これらのうち1978年5月のものは総合目録ではなく「SFと怪奇・冒険解説目録」です。付録として「全国SFファンダムが選出した 創元推理文庫のSFベスト10」を掲載。このころのSFベスト10は「知ってる知ってる。読んだ読んだ。好き好き」でしたが、最近のベスト10のなかには、読んでないだけではなく名前すら知らない作家・作品もあったりして……(苦笑)。

新潮文庫SFフェア.jpg 以下、余談です。
 目録とはちょっと違いますが、新潮文庫のSFフェア冊子(1985年)には見入ってしまいました。新潮文庫刊のSFが著者の顔写真付きで紹介されていて――
 順に、川又千秋、橫田順彌、堀晃、星新一、水見稜、森下一仁、かんべむさし、小松左京、筒井康隆、新井素子……。30年近く前ですから当然なのですが、皆さん若い!

【追記】
 ふと思い出したので。
 今年は創元推理文庫にSF部門(現在の創元SF文庫)が新設されて50周年ですが、創元推理文庫の創刊はその4年前、1959年です。
 1979年11月の目録(前掲)は右下に小さく「創元推理文庫20周年」と書かれています。目録ではないのですが、文庫創刊40周年、50周年の冊子もありましたので、ここに掲載しておきます。
40周年冊子.jpg 50周年冊子.jpg
 40周年冊子には「著名作家10人が選んだ創元推理文庫 創元SF文庫ベスト5」、そして付録「江戸川乱歩が選んだ黄金時代のミステリ ベスト10」が掲載。50周年冊子には、「東京創元社 文庫創刊50周年に寄せて」「文庫出版を中心とした東京創元社の年譜」「作家が選ぶ創元推理文庫・創元SF文庫」「記念対談 創元推理文庫50周年(北村薫・桜庭一樹)」などが掲載。
posted by 高井 信 at 10:16| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月01日

「ハヤカワSF文庫の研究」

 ネットサーフィンしていて、水鏡子「ハヤカワSF文庫の研究」を発見しました。ハヤカワ文庫の目録を綿密に調査し、各タイトルの品切れ情報をまとめたものです。すさまじい労作ですね。
 特に私が夢中になって読んでいた70年代に関する記述や調査結果は興味深く、楽しく読みました。あのころはとにかく、発行された本は片端から読んでいましたね。さすがにローダンは14巻くらいで挫折しましたが(苦笑)。

 創刊は1970年8月。エドモンド・ハミルトン『さすらいのスターウルフ』、ロバート・E・ハワード『征服王コナン』、A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙嵐のかなた』、エドガー・ライス・バロウズ『月の地底王国』、フィリップ・ホセ・ファーマー『緑の星のオデッセイ』の5点を一挙刊行し、以後毎月2点づつ刊行する。
さすらいのスターウルフ.jpg 征服王コナン.jpg 月の地底王国.jpg 緑の星のオデッセイ.jpg
 うんうん、覚えてます覚えてます。中学1年の夏。
 このラインナップ、狂喜しましたねえ。至福でしたねえ。

 75年10月に刊行されたNo.172『プレイヤー・ピアノ』カート・ヴォネガット・ジュニアである。
 上に並べたSFは、質はともかくなんらかの意味で宇宙SFもしくは冒険活劇SFといえなくもなかったが、この本はそのカテゴリーに入らない。そしてSF文庫ではじめてイラストをいれなかった。特徴的なのは白かった背表紙が青く塗られていたことだった。青背の誕生である。


 青背は月1冊のペースで刊行される。
 『槍作りのラン』、『わが名はコンラッド』と順調に続くのだが、そのあとが良くない。『メトセラの子ら』、『シリウス』、『10月1日では遅すぎる』とハヤカワSFシリーズ、SF全集からの再刊の嵐となる。
プレイヤー・ピアノ.jpg 槍作りのラン.jpg わが名はコンラッド.jpg シリウス.jpg
 そうでしたそうでした。確かに、いささかテイストは違っていましたが、SFはSFです。背の色なんて気にせず、がしがし読みまくりました。
 ん? ふと気づけば、書影を掲載した青背4冊、どれにも帯が付いていません。帯欠ではなく、最初から帯が付いていないのです。現在ではたいていの文庫本に帯が付いていますけれど、あのころは文庫には帯がなくて当たり前なのでした。――ふ~む、いつごろから文庫に帯が付くのがスタンダードになったのかなあ……なんて気にして調べ始めると、大事になるかも。やめましょう(笑)。
 ま、そんなことはどうでもいいですよね。こんな書名を眺めていますと、10代のころ――熱血SF少年だった時代にタイムスリップします。う~~ん、ノスタルジー。

 さて。
 冒頭に書きましたように、この調査の基本になっているのはハヤカワ文庫の目録なのですが、ことに70年代の目録はあまりお持ちではないようで、かなりのデータが抜けています。
 うちにも古い目録が少しは残っていたはず……。
 と、ダンボールごそごそ。この調査から漏れている目録を抜き出しました。
 1973年6月/1975年7月/1978年6月/1979年5月/1980年7月/1987年3月
目録73・6.jpg 目録75・7.jpg 目録78・6.jpg 目録79・5.jpg
目録80・7.jpg 目録87.jpg
 私が水鏡子さんと知り合いなら、「こんなのあるよ~ん。必要なら貸すよ~ん」と連絡するところですが、まるっきり付き合いはありません。
 あ、そうだ。
 どなたか仲介していただければ、喜んでお貸しします。――と、ここに書いておきましょう。
 こういう有意義かつ楽しいリスト作りには、いくらでも協力しちゃいます。
posted by 高井 信 at 21:18| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする