前にも書いたことがあると思いますが、私のショートショート研究は多くの友人たちの協力のもとに成り立っています。ことあるごとに、「こんなの知ってる?」とか「こんなの必要?」とか、友人たちが連絡してくれるのです。いやあ、ありがたいですね。
そんな友人の1人が、このブログでもお馴染みの北原尚彦さんです。本日、その北原さんから荷物が届きました。送られてきたのは、ショートショート関連の資料ほか、いろいろです。
今日は、ショートショートとは関係ないのですが、そのうちの1冊――「未来
乙 趣味」歳忘れお樂しみ號(2011年12月吉日発行)をご紹介しましょう。
〈日本古典SF研究会〉が発行するファンジン「未来趣味」は実に充実した内容で、熱心なSFファンの間ではよく知られていると思います。1988年に創刊され、最新号は2003年発行の第10号です。
「未来
乙 趣味」は、その〈日本SF古典SF研究会〉の人たちが作ったお遊びファンジンです。もろに手作りという安っぽい体裁ですが、内容は一筋縄ではいきません。特集テーマは「古本」で、目次は――
春風 森下一仁
「未来趣味」をはじめるまで 長山靖生
「マラコット深海の人魚」を求めて 北原尚彦
「ペーパーバック・ミステリ」 高橋良平
魔窟へ 矢口悟
内容に関しては、言わずもがな。楽しく読ませていただきました。それにしても、この体裁にこの執筆陣ですか。もはや笑うしかありませんね(笑)。
ほんと、楽しいファンジンをありがとうございました。>北原さん
以下の書影は――
「未来
乙 趣味」歳忘れお樂しみ號(2011年12月吉日発行)
「未来趣味」第1號(1988年3月29日発行)
「未来趣味」第7号(1999年5月2日発行)
「未来趣味」第10号(2003年4月29日発行)

「未来趣味」創刊号と最新号以外に第7号の書影を掲載しましたが、それには理由があります。

この記事を書くために「未来趣味」を久しぶりに手に取り、ぱらぱらと眺めていたら、「〈ひゅーまんるねっさんす〉の時代――米田泰一インタビュー」というタイトルが目に飛び込んできたのですよ。(第7号に掲載。ゲスト・横田順彌/桐山芳男)
「ひゅーまんるねっさんす」というのは、関西のSFファングループ〈パンパカ集団〉の会誌です。1969年に創刊され、1973年発行の第11号で終刊。いろんな意味で(笑)、けっこう有名なファンジンです。(右の書影は創刊号。1969年4月1日発行)
それはともかく。
このインタビュー記事を読んでいたら――
横田 そうこうしているうちに、岡田正哉
(注12)さん、杉山祐次郎
(注13)さんなんかとつながりが出来てきたんだよね。
おお、こんなところに岡田さんの名前が!
まあ、こういうところに岡田さんの名前が出てくるのは、言わば当たり前のことであって、驚くことではないのですが、岡田さんが亡くなって、まだ半年あまりですからね(→
この記事)。なんだか感慨深くなってしまったのでした。
【大熊宏俊さんへの追記】
「〈ひゅーまんるねっさんす〉の時代――米田泰一インタビュー」のなかに以下のような遣り取りがあります。
横田 深夜放送は聞かなかったな、やっぱりちょっと年代が違うんだ。
米田 そういや、ぱんぱかで眉村さんの番組に出てるんですよ。
編 へえ、チャチャヤング
(注24)ですか、そういうこともやっていたんですか。いや、アンソロジイでその存在を知ったんで、なんかショート・ショートを延々朗読している番組かと。(笑)眉村さんの番組ってFM大阪でやってた頃の物しか知らないですね。
桐山 眉村さんに話をしてもらうと、三十分なら三十分で、時間がぴったりなんだわ。ラジオで鍛えられてるんですよ。