
ゆえあって、ロバート・H・ゴダード(ロケット研究の先駆者)が気になり、関係書はないかと書棚を物色。野田昌宏『宇宙船野郎
月へ行く夢にかけた男たち』秋田書店・サンデー新書(70)を手に取りました。
内容は、宇宙ロケットの開発史と月世界旅行をテーマにしたSFの紹介。――このテーマで著者は野田昌宏となれば、面白くないわけがありません。
この本を読んだのは中学生のときだったかな。当時の私にとって座右の書とも言える
『SF英雄群像』早川書房(69)の姉妹編みたいな感覚で楽しく読んだことを覚えています。
さて。
『宇宙船野郎』はサンデー新書の1冊です。
うちにあるサンデー新書は5冊だけなのですが、この『宇宙船野郎』以外の4冊はショートショートの資料です。
戸山一彦『
独りでほほえむ本 ショート・ショート』1966年刊
福島正実編『SFエロチック
ミステリ』1966年刊
福島正実編『SFエロチックの夜』1967年刊
福島正実編『SFエロチック
あらかると』1967年刊

『宇宙船野郎』を手にしたついでに、ほかの本の中身も軽く眺めましたところ、『SFエロチック
ミステリ』に収録されている星新一「夜の声」の冒頭――
> ノックの音がした。
あれ? 「夜の声」って、『ノックの音が』に収録されてたっけ?(『ノックの音が』の書誌、書影は
この記事に)
確認してみますと、「夜の声」が収録されているのは『ちぐはぐな部品』角川文庫(72)でした。さらに初出を調べたりして……。
ほかのデータも含め、時系列順に整理しておきます。
・『ノックの音が』収録作品(全15編)は、「サンデー毎日」1965年7月11日~10月10日号&「小説新潮」1965年9月号に掲載。
・『ノックの音が』初刊本(毎日新聞社)は1965年10月20日発行。
・「夜の声」が「宇宙塵」1966年2月号(100号)に掲載。
・『SFエロチック
ミステリ』は1966年10月30日発行。
・『ちぐはぐな部品』は1972年9月30日発行。
このデータを見ているだけでも、いろいろな妄想が脳裡に浮かびます(笑)。

【お詫び】2011年12月26日
本記事で「夜の声」と書いていますが、これは「夜の音」の間違いです。どうしてこんな勘違いをしてしまったのか、さっぱりわかりません。
申しわけありませんでした。