ちょっとしたきっかけで、ファンジン(SFファンの発行する同人誌)が気になってしまいました。
振り返ってみるに、私がSFファンダムに足を突っ込んだのは中学3年のときですから、え~と、1972年。うわあ、40年近くも前ですか(驚)。高校生になると積極的に活動するようになり、大学時代はファン活動中心の生活になっていたと言っても過言ではありません。
私は1979年、大学3年のときに作家デビューしたわけですが、その後もファン活動をしていました。SFのイベントがあれば足を運び、面白そうなファンジンがあれば購入し……。ファンジンも出していましたね。
そういった活動からは、いつしか足が遠のきましたが、ファンダムで遊んでいたころ(1970年代~80年代)のファンジンは残してあります。その量たるや、とんでもなく(笑)。
今日、ファンジンを詰め込んであるダンボールを開けました。いやはや、懐かしいファンジンがどっさり(嬉)。――なんですが、今回の記事で書くのは、私がファンダムで遊んでいたころのファンジンではありません。

「SF BIBLIOPHILE」発行:SFBS(Space Fish Book Service) 編集:牧眞司
編集の牧くんが送ってくれていたもので、手元にあるのは第2号から第12号までの計11冊です。創刊号は送っていただけなかったのか、どこかに紛れ込んでいるのか不明。
発行は1993年~1996年です。当時の私はSFファンダムで知り合った友人との付き合いはありましたが、ファンダム活動自体とは無縁の生活をしていました。まあ、現在もそうですね。
この「SF BIBLIOPHILE」は、簡単に言えば「SFのコレクターとビブリオマニアのためのファンジン」です。マニアックな情報てんこ盛り。
若いころ、私はSF本を集めていて、そこそこのコレクションを所有していました。ビブリオにも人並み外れた興味がありましたが、20代の半ばでコレクター廃業し、コレクターズ・アイテムの多くを処分。1990年代は古本屋に足を運ぶことすらなくなっていました。もちろん、SFの珍しい本もビブリオも好きですから、楽しくは読みましたよ。しかし当時は、それ以上のものはなかったような気がします。
年月は流れ……。ショートショート・コレクターとなり、同時にビブリオ熱も復活した現在。
何気なく読み始めたら、これが面白いの何の。思い切り読み耽ってしまいました。送っていただいていたころの数倍は楽しめているのではないでしょうか。
これでもかと放出される情報はもちろんのこと、「売ります」のコーナーもあって、それを見ているだけでも楽しいです。たとえば2号には――
>ジェラルド・カーシュ
>『オカルト物語』(大陸書房)
>S49年初版 美本 1200円
うわあ! これ、欲しいなあ。でも、18年も前の「売ります」なんですよね。残念。
また、お便り欄に並んでいる名前は途轍もなく豪華で、これも楽しいです。拙ブログでもお馴染みの山本孝一さん、ここでも大活躍(笑)。
第3号には私のお便りも掲載されていました。そのお便りに対して牧くんは「SF本や古本屋廻りの知識は、高井さんからずいぶん教わりました」と。――ははは。そういう時期もありましたねえ(ちなみに牧くんは大学の2年後輩)。しかしSFの知識やコレクションはすぐに逆転され、今や雲泥の差と思います。
ともあれ、とても楽しいファンジンであることは確かです。15年以上も経って、ようやくこのファンジンの本当の魅力と価値を知りました。
今さらながらですが、ありがとうございました。>牧くん