
「週刊読売」1969年8月10日臨時増刊号「人類ついに月に立つ
月にはナニがあったか?」を読んでいます。アポロ11号の月着陸を記念して出された特集誌です。
アポロ11号! わくわくしましたねえ。食い入るようにテレビ画面を見つめていたものですが、今回、私が注目したのはアポロ11号そのものの記事ではなくて、読み物です。
たとえば――
◎「
宇宙旅行今昔物語 月にかけたロマンと悲願」野田宏一郎
野田宏一郎(昌宏)による月世界旅行SFの紹介です。これがまた、SF専門誌に載ってもいいくらいの本格的なもの。アメリカの古いSF雑誌などから採られたイラストもたくさん掲載されていて、それを見ているだけでも楽しめます。(全9ページ)
◎「SF 月世界二〇〇八年」福島正実
これは小説。『分荼離迦』ハヤカワSFシリーズ(69)、『月世界二〇〇八年』旺文社文庫(85)に収録されています。(全6ページ)
◎「宇宙にも生物がいる?」草下英明
『SF宇宙生物学講座』ハヤカワ・ライブラリ(66)の著者による宇宙生物論です。宇宙生命の可能性に思索を巡らせています。(全9ページ)
◎座談会「
宇宙のナゾ10を語る 月にはダイヤモンドがある?」永田武/佐伯镹/村山定男/星新一
大学教授や国立科学博物館技官といった専門家に交じって、星新一がウイットに富んだ発言をしています。(全8ページ)
いやいや、楽しいですね。思わず読み耽ってしまいましたよ。
ということで、本題です。
座談会を読んでいて、ふと――星新一の対談集(座談会も含む。以下同様)って出てないよな、と思いました。
対談集に星新一が名前を連ねている本はあります。
『SF作家オモロ大放談』いんなあとりっぷ社(76)/『
SFバカばなし おもろ放談』角川文庫(81)
『奇想天外SF放談集①
なぜSFなのか?』奇想天外社(78)
『奇想天外SF放談集②
オレがSFなのだ』奇想天外社(78)
『SF川柳傑作選』徳間書店(87)

これらはいずれも星新一が参加している対談や座談会も収録されている本で、星新一がメインではありません。星新一の対談集、出ていそうで出ていないんですよね。う~~~ん、不思議ですねえ。まとめて読みたいですねえ。
どっかの出版社、企画してくれないかなあ。
【註1】『奇想天外SF放談集』2冊は最初、本体にビニルカバーという体裁で発行され、のちにカバーが付けられました。ここにアップしたのはカバー装のものです。
【註2】中川米造+星新一『手当ての航跡
医学史講義』朝日出版社(80)という対談集はありますが、本記事の趣旨とは外れているため省きました。