2011年01月18日

『復讐記』

 原作・梶原一騎/漫画・影丸穣也『復讐記 +影丸穣也短編集』マンガショップ(07)を読みました。
復讐記.jpg 表題作『復讐記』はデュマ『モンテ・クリスト伯』の漫画化――デュマの小説をもとに梶原一騎が原作を書き、それを影丸穣也が漫画化するという、回りくどい過程を経て誕生した作品です。2年くらい前に買ったまま放置しておいた本ですが、ここのところ『モンテ・クリスト伯』ノスタルジーに浸っていて、いい機会だから読もうかな、と。
 う~~~~~ん。あの長大な作品を200ページあまりの漫画にするのは、いかに天才・梶原一騎をもってしても、無理がありすぎますね。ただストーリーを追っているだけ(要するにダイジェスト)で、全然楽しくなかったです。
『漂流 本から本へで筒井康隆は――
> 以後、ぼくは今でも、この作品を子供向けの本でしか読んでいない若い作家志望者に、
>原典で読むことを奨めている。
 と書いています。つまりは、そういうことなのですね。納得であります。
posted by 高井 信 at 23:14| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

古~い『モンテ・クリスト伯』

 先日の記事にも書きましたように、とにかくデュマ『モンテ・クリスト伯』が好きです。
 若いころ、古本屋を回っていて『モンテ・クリスト伯』を見かけると、その本を読む気はなくても自然に手が伸びていました。先日の記事に書影をアップした新潮社・世界文學全集版(全2巻)も、そのころに買った本です。
 世界文學全集は昭和初期の本ですが、もっと古いものもあります。黒い本のコーナーを眺め、目についた2冊を取り出してきました。(もちろん、黒岩涙香『巌窟王』以外です)
 こんな記事を喜ぶ人がいるとは思えませんが、紹介しちゃいます。

◎笹川臨風編輯『通俗モントクリスト物語』通俗教育普及會・通俗叢書(大正6年1月15日発行)
 裸本です。扉の画像もアップしておきます。
◎アレキサンダア・ヂユウマ著/谷崎精二・三上於菟吉譯『モントクリスト伯爵―前編―』新潮社・泰西傳奇小説叢書(大正8年9月13日発行)
 所有しているのは前編のみですが、今さら揃える気はありません。函には「ヂユウマ」と書かれていますが、本文では「ヂユマ」だったり「ヂューマ」だったり(笑)。
通俗モントクリスト物語.jpg 通俗モントクリスト物語(扉).jpg モントクリスト伯爵―前編―.jpg
posted by 高井 信 at 12:28| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする