2011年01月14日

ノベライズ『僕と妻の1778の物語』

 脚本:半澤律子/ノベライズ:百瀬しのぶ『僕と妻の1778の物語』角川文庫(10)を読みました。同題映画のノベライズです。
 やはり、第1778話「最終回」ですね。
 ノベライズでは、最初の3行のあと――

 朔太郎は万年筆を原稿用紙から離した。ペン先を浮かせたまま、万年筆は原稿用紙の上にゆっくりと丁寧に文字を綴っていく。

 と続き、ほぼ1ページの空白。そして、最後の3行……。
 真っ白に過ぎないページに、何か文字が浮かんでくるような気がしました。1777話の上に存在する第1778話には、そのすべてが凝縮されています。
 眉村さんが奥様のためにショートショートを書かれているころ、ちょくちょくお会いする機会がありました。そのたびに、「××話になった」と……。
 あのころのことを思い出します。「最終回」に接するのは、これで何度目でしょうか。今回も胸に迫るものを感じました。文字数にすれば100字にも満たないのですが、原稿用紙5万枚余の総決算なんですよね。
僕と妻の1778の物語.jpg で、肝心の物語は――
 よくできているとは思います。思いますが……。
 この主人公は眉村卓ではないですね。わかっていたことではありますが、眉村さんはあくまでもモデルであり、映画の牧村朔太郎は別人であるとの思いを強くしました。
 ちなみに――
 私が眉村さんと初めてお目にかかったのは1978年11月20日です。眉村さんが44歳、私が21歳のときでした。

 映画『僕と妻の1778の物語』は明日公開です。

【追記】1月15日
 オリジナル・サウンド・トラック(CD)も発売されているのですね。思いっきり試聴してしまいました(笑)。→ここ
posted by 高井 信 at 23:07| Comment(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする