今日、書棚を眺めていましたら、岩崎説雄『クローンの誕生 “もうひとつの生命”の不思議』KKベストセラーズ・ワニの本BESTSELLERS(97)というタイトルが目に飛び込んできました。
手に取ってみると、カバー袖に「◎暴君ヒトラーの再来は本当に可能なのか!?」と書かれています。

この本は買っただけで、読んでいないと思います。いい機会なので読むことにし、先ほど読了。
ええ、面白かったですよ。知らないことがたくさんあり、勉強にもなりました。しかし……。
袖に「◎暴君ヒトラーの再来は本当に可能なのか!?」とあり、目次にも「「ヒトラー再来」の危惧における矛盾」なんて書かれていたら、当然『ブラジルから来た少年』についても触れられていると思っちゃいます。それを期待して読むことにしたのに、あらら何と、全く無視だったのでした。
映画などのフィクションに言及しないというポリシーで書かれた本であれば、それもわかりますけれど、そうではありません。『ジュラシックパーク』にはかなりのページが割かれていますし、『フランケンシュタイン』『ドクター・モローの島』『フライ』といった映画も、タイトルだけですが出てきます。(【註】『フライ』は『ザ・フライ』のことと思います)
にもかかわらず、なぜ『ブラジルから来た少年』に触れないのでしょう。いやもちろん、知らなかったからなのでしょう(知っていて、あえて触れなかったのだとしたら、著者の見識を疑います)けれど、釈然としないですね。ヒトラーのクローンについて考察する以上、知らなかったでは済まないと思います。
科学者は『ブラジルから来た少年』をどう見るのか、知りたかったですねえ。
誰かサジェストする人はいなかったのでしょうか。残念です。