2011年01月06日

『幻の怪談映画を追って』

 和洋問わず、古い特撮映画が好きです。邦画では、この記事にも書きましたように昭和30年代の東宝映画ですね。
 同じころ、新東宝でも盛んに特撮映画――おもに怪談映画を作っていたのですが、これまであまり観る機会がありませんでした。記憶にあるのは『東海道四谷怪談』『怪談累が渕』『亡霊怪猫屋敷』『怪猫お玉が池』くらいでしょうか。
 正月、新東宝の映画『女吸血鬼』と『花嫁吸血魔』を観ました。
 2作とも面白かったですねえ。独特の味わいというか癖というか、東宝の特撮映画とは明らかに違っています。
『女吸血鬼』は、そのタイトルに反して女吸血鬼は出てきません。出てくるのは、月の光を浴びると変身する、まるで狼男みたいな男吸血鬼(笑)。現代を舞台にしているのですが、現代といっても半世紀前の現代でして……。「カックンよ」なんて、子どものころに聞いたことがあるような、ないようなセリフもあり、笑みを浮かべてしまいました。
『花嫁吸血魔』は明らかにデュマ『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』を下敷きにしていて、その点でも楽しめました。怪談映画ではありませんが、やはり新東宝の『女巌窟王』は観たことがあります。『女巌窟王』よりも『花嫁吸血魔』のほうがずっと『巌窟王』(笑)。
幻の怪談映画を追って.jpg いやはや、恐るべし、新東宝の怪談映画。

 ということで、山田誠二『幻の怪談映画を追って』洋泉社(97)を手に取りました。だいぶ前に読み、面白そうな映画が多いなあと思いつつ、実際に観る機会がないまま過ごしていました。
 改めて、巻末の「大藏貢の製作した怪談映画全部解説」を眺めると、観たい映画が目白押しです。
 お楽しみはこれからだ~(嬉)。
posted by 高井 信 at 22:58| Comment(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月05日

『クローン誕生』

 昨年末、映画『ブラジルから来た少年』を観ました。ヒトラーのクローンを作る話です。
 今日、書棚を眺めていましたら、岩崎説雄『クローンの誕生 “もうひとつの生命”の不思議』KKベストセラーズ・ワニの本BESTSELLERS(97)というタイトルが目に飛び込んできました。
 手に取ってみると、カバー袖に「◎暴君ヒトラーの再来は本当に可能なのか!?」と書かれています。
クローン誕生.jpg おお、グッドタイミング!
 この本は買っただけで、読んでいないと思います。いい機会なので読むことにし、先ほど読了。
 ええ、面白かったですよ。知らないことがたくさんあり、勉強にもなりました。しかし……。
 袖に「◎暴君ヒトラーの再来は本当に可能なのか!?」とあり、目次にも「「ヒトラー再来」の危惧における矛盾」なんて書かれていたら、当然『ブラジルから来た少年』についても触れられていると思っちゃいます。それを期待して読むことにしたのに、あらら何と、全く無視だったのでした。
 映画などのフィクションに言及しないというポリシーで書かれた本であれば、それもわかりますけれど、そうではありません。『ジュラシックパーク』にはかなりのページが割かれていますし、『フランケンシュタイン』『ドクター・モローの島』『フライ』といった映画も、タイトルだけですが出てきます。(【註】『フライ』は『ザ・フライ』のことと思います)
 にもかかわらず、なぜ『ブラジルから来た少年』に触れないのでしょう。いやもちろん、知らなかったからなのでしょう(知っていて、あえて触れなかったのだとしたら、著者の見識を疑います)けれど、釈然としないですね。ヒトラーのクローンについて考察する以上、知らなかったでは済まないと思います。
 科学者は『ブラジルから来た少年』をどう見るのか、知りたかったですねえ。
 誰かサジェストする人はいなかったのでしょうか。残念です。
posted by 高井 信 at 15:49| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月04日

『おとぎ話を科学する』

 昨年4月21日の記事で――
> TOKON10実行委員会公式ブログに、宮野由梨香「東京SF大全23『ボッコちゃん』」
>なる論考がアップされています。へえ、こういう読み方もあるのか、と興味深いです。
 と書きました。
 その宮野由梨香、今度は第50回日本SF大会公式ブログ「ドンブラコン日記L」において、同じく星新一のショートショート「羽衣」を考察しています。(→ここ
 ほんと、評論家という人種は面白い読み方をしますねえ。感心します。
おとぎ話を科学する.jpg ふと、ちょっと前に読んだ本を思い出しました。――大槻義彦『おとぎ話を科学する』PHPビジネスライブラリー(98)です。
 カバー袖の紹介を引用しますと――

*“浦島太郎が乗った亀”は超高速で飛行する「UFO」だった!?
*“かぐや姫降臨”は「地球外生命体」の生体実験だった!?
*“花咲か爺さんの犬”は「超音波」で大判小判を掘り当てた!?
*“一寸法師誕生”の遠因は「環境ホルモン」だった!?
*人を凍らせる“雪女の息”は「液体窒素温度」だった!?
*“こぶとり爺さんのこぶ”は「暗示効果」で消失した!?

 大槻教授が日本古来のおとぎ話を科学的・合理的に解釈し、それに即した物語を作り上げた――言ってしまえば、ハードSFおとぎ話集です。←ほんとか?(笑)
 この本のなかで大槻教授は「天女の羽衣」も採り上げています。物語の要所には「大槻教授の科学教室」なるコラムが挿入され、この「天女の羽衣」には「プラズマ推進ロケット」「宇宙人と地球人の間に子どもはできるか?」「軽く温かい織り物」。
 科学者という人種も面白い読み方をしますねえ。もっとも、こちらは私の読み方に近いかもしれません。

【追記】
 私はショートショート作家で、ショートショート研究家&収集家ではありますが、ショートショート評論家ではないと思っています。もちろん、依頼があれば評論めいたものも書きますけれど。
 ふと思いついて、“ショートショート評論家”をキーワードにgoogle検索してみました。ヒットしたのは「星敬」と「工藤伸一」の2人。
 自分でも認識している通り、私の名前はヒットしませんでした。
posted by 高井 信 at 16:29| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『大江戸神仙伝』シリーズ

 昨年末、TVドラマ『大江戸神仙伝』を久しぶりに観て、このシリーズ(小説)が無性に懐かしくなりました。大好きなのに、いつしか読まなくなってしまったんですよね。
 ネットで調べてみましたら――

『大江戸神仙伝』講談社(79)/講談社文庫(83)/評論社(92)
『大江戸仙境録』講談社(86)/講談社文庫(92)
『大江戸遊仙記』講談社(90)/講談社文庫(93)
『大江戸仙界紀』講談社(93)/講談社文庫(96)
大江戸神仙伝 いな吉江戸暦』講談社(96)/『大江戸仙女暦』講談社文庫(99)
『大江戸仙花暦』講談社(99)/講談社文庫(02)
『大江戸妖美伝』講談社(06)/講談社文庫(09)

 おお、7冊も出ていましたか。
 ちなみに、うちにあるのは以下の5冊だけでした。4冊目の『大江戸仙界紀』まで読んだような気がしますが……。
大江戸神仙伝.jpg 大江戸仙境録.jpg 大江戸遊仙記.jpg
大江戸仙界紀.jpg いな吉江戸暦.jpg サイン.jpg
 サインは『大江戸神仙伝』にいただいたものです。大好きな本にいただいたサインは、また格別ですね。
 石川さん、ありがとうございます。

【追記】1月7日
 未所有の2冊をネットで買いました。便利な世のなかになったものです。
大江戸仙花暦.jpg 大江戸妖美伝.jpg
posted by 高井 信 at 10:29| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月03日

黒い本

 お正月になると必ず頭に「和尚がTwo」という言葉が浮かんでしまいます。強烈にインプットされちゃっているんですね(苦笑)。
 あ、そうだ。ついでに書いておきましょう。元日=元旦と思っている人が多いようですが、違います。元旦というのは元日の朝のことなんですね。「元旦の夜」とか、よく耳にしますが、そんなのは有り得ません。――以上、豆知識でした(笑)。

 さて。
 元日に緑川聖司『ついてくる怪談 黒い本』ポプラポケット文庫(10)を買いました。この本でも飯野文彦『「超」怖い物語 黒い本』竹書房文庫(07)でも、「黒い本」=「呪われた本」です。
 しかし、「黒い本」と聞いて私が即座に連想するのは「古書」――古本(セコハン本)ではなくて、発行年代の古い本なんですね。明確な決まりがあるわけではありませんが、おおむね昭和20年代半ば以前に発行された本ということになるでしょうか。
 実際には黒いわけではないのですが、古い本には黒っぽいイメージが横溢しています。
“論より証拠”ではなくて、“百聞は一見に如かず”。――ということで、ちょっと恥ずかしいですが、うちの「黒い本」コーナーをご覧に入れることにしました。ショートショート関連の本(要するに短編集)を集めてあるあたりです。
黒い本棚.JPG
 汚いですねえ(笑)。興味のない方にはゴミにしか見えないでしょうけれど、私にとっては貴重な資料です。
 必要な本はまだまだたくさんあります。今年は何をゲットできるでしょうか。

フューチャーメン出動せよ!.jpg と、記事をアップする準備をしていたら、郵便受けに何かが投函される音が聞こえました。
 届いたのは、野田昌宏『フューチャーメン出動せよ!』宇宙軍参謀本部(10)でした(この記事参照)。
 ハヤカワ文庫そのまんまの装丁ですね(嬉)。さっそくパラパラと目を通し――
 う~~ん、素晴らしい! ありがたくて、涙が出そうになる本です。

 通販が開始されています。興味のある方は、こちらをご覧ください。
posted by 高井 信 at 13:42| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月02日

野放図な日本語

 いやはや、驚きました。
 今日、買い物に行ったら、レジで――
「お釣りのほう、200円のほうになります」
 一瞬、耳を疑いましたよ。
「~になります」には慣れました(嫌ですけれど)。「~のほう」もそんなには気にならなくなりました(嫌ですけれど)。
 しかし、「200円のほう」には驚きましたねえ。話していて、違和感ないのでしょうか。聞いているほうは超巨大な違和感に襲われたんですが……。
 ちなみに、商品代金は360円で、私は500円玉1個、50円玉1個、10円玉1個を出したのですが、そのときは――
「500円のほうから預からさしていただきます」
 と言っておりました。「のほう」以外にも、ツッコミどころ満載(笑)。

【註】記事のタイトルは、何となくです。
posted by 高井 信 at 20:59| Comment(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月01日

あけましておめでとうございます。

 いきなりですが、右下の画像は朝刊のチラシです。
 そんなわけで、新年早々、私はブックオフで古本と戯れておりました(笑)。
 で、こんな本を購入。
チラシ.jpg◎緑川聖司『ついてくる怪談 黒い本』ポプラポケット文庫(10)
◎緑川聖司『終わらない怪談 赤い本』ポプラポケット文庫(10)
黒い本.jpg 赤い本.jpg
 飯野文彦『黒い本』と何か関係があるのかしらん。

 ともあれ――
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
posted by 高井 信 at 19:40| Comment(2) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする