毎度のことながら、まだほとんど読んでいませんが……。
この本を書店で手に取ったとき、心のなかで思わず「おへっ」と声を上げてしまいました。帯の袖に、「まったくもって毛深い体質ではなかったはずなのに、ある朝、純一郎が目覚めると、手足が自らの陰毛によって緊縛されていた……(「ラビアコントロール」)。」と書かれていたんですね。
と同時に私、大昔に書いたショートショートを思い出しました。タイトルは「陰毛宇宙」――原稿用紙2枚あまりの作品です。
古いメモを調べましたら、脱稿したのは1975年9月9日とありました。高校3年生で、大学受験直前ではないですか(笑)。
この作品は、SFファンジン「ALEF」第11号(1975年10月20日発行)に掲載してもらい、その後、東京理科大学SF研究会の会誌「破天荒」第5号(1978年12月20日発行)に再録しました(いずれもペンネーム使用)。
タイトル変更は、編集部の意向によるものです。「陰毛宇宙」はあまりにもインパクトが強烈ということで……(笑)。前号に、やはりシモネタSF短編「快楽の報酬」という作品を掲載してもらっていて、その流れでタイトルを決めました。「報酬シリーズだ~」なんて、いいかげんなことを言っていたことを思い出します。
とまあ、そんなわけで――
無性に懐かしくなって、何十年ぶりかに「ALEF」を手に取り、「陰毛宇宙」を再読しました。
うわっ。これ、傑作ではないですか。はっきり言って、改稿版「忍耐の報酬」よりも面白いです。
せっかくの機会ですから、ブログの読者の方々にも読んでいただきましょう。34年も前に書いた作品で、当時と現在では文体や漢字の使い方が違っていますが、一字一句そのまんまです。

あっ。記事のタイトルに偽りあり、ですね。以前からの読者はともかく、『ポジティヴシンキングの末裔』をネット検索して、この記事を読んだ人は呆れるでしょうねえ。申しわけありません。
【追記】2013年11月5日
ここに「陰毛宇宙」がアップされていましたが、手作り冊子に収録しましたので、削除することにしました。