好きですねえ。>『たたり』
幽霊屋敷ものの映画と言えば、この『たたり』、そして1973年の『ヘルハウス』が双璧と思っています。それほど多くの幽霊屋敷映画を観ているわけではありませんけれど、少なくとも私が観た映画のなかでは、他を圧倒しています。
前に『たたり』を観たのはいつだったのか、記憶は定かではありません。少なくとも20年以上は前と思います。今回もやはり抜群に面白く、たちまち画面に引き込まれました。
観終わって、派手な特撮に頼りきっている最近のホラー映画との違いを考えてしまいました。たとえばこの『たたり』は1999年にリメイク版『ホーンティング』が製作されていて、最新SFXによる演出は『たたり』とは段違い。目を奪われるシーンは多々あったんですが、全体の出来としては凡作としか思えませんでしたし……。
前に観たときには気がつかなかった(あるいは、忘れていた)のですが、どちらのドアを開けるか迷う場面で、「“レディーと虎”を思い出すわ」なんてセリフがあるんですね。もちろん、ストックトンの「女か虎か」のことでしょう。これは楽しい発見でした。
原作はいろいろなタイトルで何度も邦訳が出ています。
『山荘綺談』ハヤカワNV文庫(72)
私が読んだのはこの本です。映画を観る前に読みました。面白かったですねえ。
『なぞの幽霊屋敷』朝日ソノラマ・少年少女世界恐怖小説(72)
児童書で、これは現物を見たことがありません。
『たたり』創元推理文庫(99)
映画のリメイク版『ホーンティング』の公開に合わせて発行された新訳版です。
『丘の屋敷』創元推理文庫(08)
上の改題版です。
ちなみに、映画『ヘルハウス』の原作はリチャード・マシスン『地獄の家』ハヤカワ・ノヴェルズ(72)/ハヤカワ文庫NV(77)です。映画と原作、どちらも大好き!
さて、シャーリイ・ジャクスンはショートショートの書き手としても要チェックです。
ショートショート集リストを挙げておきましょう。
『くじ』早川書房・異色作家短篇集(64)/早川書房・異色作家短篇集(76)*新装版/早川書房・異色作家短篇集(06)*新装版
『こちらへいらっしゃい』早川書房・世界の短篇(73)
以上ですが、『野蛮人との生活〈スラップスティック式育児法〉』ハヤカワ文庫NV(74)も見逃せません。
幽霊つながりで、また今日も、私が昔書いたショートショートを掲載します。「俺は復讐に燃える幽霊なのだ!!」――1976年6月9日脱稿。あ、浪人しているときでありますね。
のちに東京理科大学SF研究会の会誌「兆」創刊号(1977年6月20日発行)に掲載しました。
【お詫び】2013年11月26日
ゆえあって、ここに掲載してあったショートショート「俺は復讐に燃える幽霊なのだ!!」を削除しました。